Ch.4-1.寝たきりにならないために食べるための身体づくり~身体リハビリ~


七沢リハビリテーション病院 脳血管センター
理学療法士 小泉千秋

小泉千秋
記事公開日 2014年2月

2020年4月1日改訂

Q1.家の中で寝てばかりいます。食べるための体力をつけたいのですが、何から始めたら良いのでしょう?

Q1-1.身体リハビリの体力づくりで大切なことは?

A:体力づくりの3つの基本要素は、①覚醒 ②筋活動 ③呼吸(循環機能)

寝てばかりいることは、摂食・嚥下機能だけでなく、対象の方の生活全般的に身体機能が低下している可能性があります。摂食嚥下活動は口腔や咽頭周囲で行われる局所の活動に捉えられますが、実際には様々な全身機能が関わる活動になります(図1)。そのため、まず食べるために必要な全身の機能に関わる身体準備として体力づくりから始めなければなりません。 体力づくりのキーワードは、①覚醒 ②筋活動 ③呼吸(循環機能)になります。

図1 摂食嚥下活動とは
図1 摂食嚥下活動とは

①覚醒

覚醒を高めていくには、身体を起こしていく事が必要になります。
横になり寝てばかりいる状態が続くと、覚醒が低下するだけでなく、廃用的に様々な身体機能が低下し、身体を起こすことがつらくなります。特に、日中寝てしまうと夜眠れなくなり、夜眠れないと日中眠くなる悪循環に陥ります。そのため、まずは日中はできるだけ身体を起こして覚醒を高める時間を増やし、一日の生活リズムを整えることが必要になります。

②筋活動

身体を起こしていくためには、身体を空間で支えるための活動が必要になります。

重力のある地球上で動く場合には、重力に抗して身体を支える活動が必要になります。この活動は、主に抗重力筋という重力に抗して空間で身体を支えるために必要な筋活動で行われます。横になっている間は身体が重力に抗さない状態になり、臥床状態が長くなると廃用的に筋力が衰えてきます。そのため、抗重力活動を高めるには、可能な範囲で座位や立位での活動を促すことが必要になります。

③呼吸(循環機能)

臥床状態が長くなると個々の筋力だけでなく、全身の体力や耐久性が低下します。その背景には、呼吸等の循環機能の低下も考えられます。循環機能が低下すると、疲れやすくなり、食事のために必要な座位保持等の持続的な活動が困難になる場合があります。そのため、身体を起こして安静状況を減らし全身の活動時間を増やし、循環機能を向上していく必要があります。
また、摂食嚥下のリスクは呼吸器に関する場合が多く、呼吸機能はリスク予防の観点からも重要になります。特に、咽頭の残留物や誤嚥した場合の誤嚥物を喀出する機能は誤嚥性肺炎予防に必要不可欠です。

▲ページの最初へ戻る

あなたは医療関係者ですか?
この先のサイトで提供している情報は、医療関係者を対象としています。
一般の方や患者さんへの情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承下さい。
いいえ
はい