Q1.家の中で寝てばかりいます。食べるための体力をつけたいのですが、何から始めたら良いのでしょう?

Q1-4:食べている途中でも横になりたがります。食事を中断して寝かせて良いですか?

A:現状、どのくらい座れるかを評価する必要があります。

食事の途中で横になりたがるのは、途中で疲れてしまい座り続けることが困難になっている可能性があります。例えば、短時間しか座れなければその状態で食事をさせることは難しいかもしれません。また、覚醒が低下した状況で経口摂取を行うことは、本来の嚥下機能より低下した状況になりやすく、嚥下に伴うリスクが高まります。対象の方が座位保持できる能力を評価し、それを基準に食事時間や食事姿勢を考える必要があります。
通常座位で行われる食事活動は、座位保持ができる身体状況がベースにあって、それに食べる活動が加わっています(図2)。土台となる姿勢保持活動が不安定な場合、姿勢保持だけでなく、嚥下活動自体にも影響を及ぼす可能性があります。例えば、嚥下に直接関わる口腔・咽頭器官がある頭頸部周囲の筋には、頭頸部を保持する活動だけでなく嚥下活動にも働く場合があります。姿勢保持が困難な場合、代償的に姿勢保持活動が高まらなければならず、本来嚥下に使われるべき活動に影響を及ぼすことが考えられます。

図2 摂食・嚥下活動と姿勢の関係性

一般的に食事に必要な座位保持は、30分程度座位保持できる能力が目安になります。そのため、対象者の身体機能から、食事をベッド上、あるいは車いすやいすかを選択する必要があります。ただし、ベッドは臥位状況に合わせて設定されているために、マットは柔らかくて沈み込みがあり姿勢保持は不安定になりやすいです。姿勢保持は身体を支える支持面の安定性により差が生じます。そのため、可能であれば車いすやいすのような支持面が安定している方が姿勢調整は行いやすくなります。

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