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胃瘻と摂食・嚥下リハビリテーション

胃瘻と摂食・嚥下機能というテーマは切っても切れない、車の両輪のようなもの。

胃瘻を造っても、たとえ一口でもいいから、口から味わう楽しみは、残したいですよね。「食べられないから胃瘻にしたんでしょ。食べさせたらまた肺炎になるわよ!」と言われてしょんぼりしている方はいませんか。

もう一度味わうために胃瘻を活用するというアプローチは、最近マスコミも取り上げるようになってきたので、ご存知の方も少なくないことと思います。しかし、そのためには正しく理解して安全を確保することが大前提。摂食・嚥下機能の向上あるいは低下を正しく把握し、ご本人のレベルにあった食物形態を選択したり、食べられない原因が、薬の副作用や食事介助の際の環境の中にあるのではないかと、見直してみることも必要です。

そこで、本コーナーでは4つのコーナーをつくりました。

Ⅰ 摂食・嚥下障害と胃瘻

Ⅱ 摂食・嚥下リハビリテーションとは?

Ⅲ 摂食・嚥下機能の維持・向上への取り組み

Ⅳ 私たち、胃瘻を使いこなしてます!(体験談)

どうぞ、興味のあるところからお読み下さい! 体験談も常時募集しております!

Ⅰ 摂食・嚥下障害と胃瘻

Ⅰ-1.抑制からの解放! そして、再び食べられるために

稲川利光 稲川利光(NTT東日本関東病院 リハビリテーション科:2012年12月現在)
「リハビリと栄養」「鼻チューブの現実」「OE法もあるけれど…」「胃ろうのメリット」「胃ろうで全身状態を良好に」…


Ⅰ-2.嚥下障害治療におけるPEGの位置付け

稲川利光 稲川利光(NTT東日本関東病院 リハビリテーション科:2012年12月現在)
経鼻胃管から経口摂取への可能性を求め、まず「抑制からの解放のための胃ろう」を取り入れてみよう、という稲川先生。第二弾では、実際に行われている院内の取り組みについて、教えて頂きました。嚥下障害という多様な因子が絡み合って起こる障害の治療の中で、どのように胃ろうを取り入れることが望ましいのでしょうか…


Ⅰ-3.赤ちゃんからお年寄りまで 口腔機能についてのご相談、承ります!

菊谷 武 菊谷 武(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長:2012年12月現在)
胃瘻を造るともう口から食べられない、本人も介護者も経口摂取へのこだわりが失せる、そんなコメントを聞くことはまだまだ多い。それだけ「口から食べたい・食べさせたい」という思いが強いことの表れともいえるだろう…
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Ⅰ-4.摂食・嚥下障害のある小児を支援するために

田村文誉 田村文誉(日本歯科大学附属病院准教授・口腔リハビリエーション科 科長:2012年12月現在)
「口」はさまざまな役割を担っており、なかでも「食べること」と「話すこと(コミュニケーション)」は、その2大機能である。胃瘻を造設すると、食べる機能を発揮することができなくなるのでは?と心配になることであろう。また、これは他者とのコミュニケーションが乏しくなることにも影響してくるかもしれない。 しかし、胃瘻が必要な人は現実に大勢存在している…


Ⅰ-5.ご存知ですか?経鼻細径内視鏡による嚥下機能評価

PDN編集部 PDN編集部
口から食べられるようになるためには、正しい嚥下機能評価は欠かせません。近年、鼻から挿入できる細径内視鏡を使ったビデオ嚥下内視鏡検査(VE)による機能評価法も、嚥下造影検査(VF)同様、広く使われるようになってきました。病院や在宅で嚥下機能評価を実施している先生方に、お話をうかがってみました…


Ⅰ-6.無謀な経口摂取、不要な経管栄養を見逃すな!

PDN編集部 PDN編集部
これまでの記事で、みなさん嚥下機能評価がいかに重要かをお分かりになったことと思います。では、実際に嚥下訓練、指導がどのように行われているのか、ちょっとお邪魔してみましょう。・食事を通じてコミュニケーションのきっかけ作り(菊谷武先生)・正しい評価に基づいた、正しい評価を(戸原玄先生)…


Ⅰ-7.その患者さん、本当に嚥下機能障害ですか?

舘村 卓 舘村 卓(大阪大学大学院歯学研究科:2012年12月現在)
正しい嚥下機能評価によって、その障害レベルが明らかになったら、その段階にあったケアやリハビリテーションが必要となります。 正しい評価と正しいリハビリテーションは、患者さんにどのような変化をもたらすのでしょうか? 実際の症例に沿って、ご紹介します。正しい嚥下機能検査が行なわれているか?…


Ⅰ-8.まず、患者さんを起こしましょう!

小山珠美小山珠美(東名厚木病院:2012年12月現在)
摂食・嚥下リハビリテーションの専任看護師として、入院患者さんの摂食・嚥下訓練、食事の指示、スタッフ指導、院内勉強会の開催、そして各地から依頼される講演にと、多忙な小山珠美先生。 現場で実際に行っている、経口摂取のためのアプローチから摂食嚥下リハビリテーションに取り組む際の意識の持ち方まで、熱く語られました…


Ⅰ-9.命のワンスプーン。食べられないときこそ「心の栄養」を!

植田耕一郎植田耕一郎(日本大学歯学部:2012年12月現在)
2006年の介護保険改訂により、要支援1・2該当者は「運動機能の向上サービス」「栄養改善サービス」「口腔機能の向上サービス」といった予防給付を受けられるようになりました。 厚生労働省が口腔ケアにも目を向けるようになった研究を推進された研究者の一人が、日本大学歯学部摂食機能療法学講座教授の植田耕一郎先生…

Ⅱ 摂食・嚥下リハビリテーションとは?

-1.リハビリテーションとは障害を持ちながら生活していく手段の獲得

若林秀隆若林秀隆(横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科:2012年12月現在)
神奈川PDNセミナーで、「嚥下障害の評価方法とPEGの適応」をテーマに講師を引き受けてくださった若林秀隆先生。正しい評価に基づいた嚥下リハビリテーション(以下、リハビリ)の実施で摂食機能を改善し、胃瘻が必要な場合には嚥下リハビリと口腔ケアを並行して行ないながら、嚥下機能や全身状態の改善及びQOLの改善を目指そう、と…


-2.アメリカにおける摂食・嚥下リハビリテーション

松尾浩一郎松尾浩一郎(松本歯科大学病院特殊歯科 摂食・嚥下リハビリ外来主任:当時)
松本歯科大学公開講座 第7回摂食・嚥下障害セミナーより。本セミナーで講師を務められた松本歯科大学准教授、松尾浩一郎先生は、摂食・嚥下リハビリ外来の責任者。医科と歯科が連携し、消化器専門の内科医・前島信也教授をはじめ、多職種のコラボレーションで摂食・嚥下リハビリ、口腔ケア、PEG(経管栄養管理)を必要とする…


-3.嚥下障害のリハビリテーション

斎藤 徹斎藤 徹(財団法人精神医学研究所附属東京武蔵野病院 歯科口腔外科部長:当時)
嚥下障害のリハビリテーションの手順。おいしく食事が摂れることは日常生活の中での大きな楽しみの一つですが、種々の原因で口から食事ができなくなることがあります。口から食べられなくなる最大の原因は「嚥下障害」です。 嚥下障害の原因には脳卒中や頭部外傷、神経疾患、あるいは口腔や咽頭の腫瘍などがあります…


Ⅲ 摂食・嚥下機能向上のための取り組み

Ⅲ-1.地域全体で統一した患者対応を -口腔ケア・嚥下リハビリを地域包括ケアに組み入れる-

河崎寛孝

河崎寛孝(金沢脳神経外科病院 リハビリテーション科:当時)

各地で注目されてきた、地域一体型NST(栄養サポートチーム)。そこには歯科やリハビリ関連のスタッフの参加が欠かせません。 金沢・在宅NST研究会では、早くからNSTの活動を啓発してきました。摂食嚥下リハビリテーションについてはどのような取り組みを行っているのでしょうか。…


Ⅲ-2.歯科の充実は、質の高い医療の提供に不可欠

阪口英夫

阪口英夫(医療法人尚寿会大生病院 歯科口腔外科:当時)

今回紹介する医療法人尚寿会大生病院は、同系列のあさひ病院とともに、重症な認知症患者さんの治療とケアにあたっている病院です。周辺地域のみならず、各地から患者さんが通院・入院されている同院は、開院当初より一貫して「よりよい高齢者医療」を理念に掲げています。 高齢者医療の中では「食べる」ということが非常に大切な要素であるとの認識から…


Ⅲ-3.胃瘻造設患者における地域連携口腔ケアの実践

内藤克美

内藤克美(県西部浜松医療センター 歯科口腔外科科長:当時)

静岡県の県西部浜松医療センターのNST(栄養療法チーム)及び嚥下チームは、コメディカルと歯科の結束が土台となって、各職種が互いにサポートしあう見事なチーム医療を展開しています。 では、そのシステムをいかに地域完結医療として普及させていくか、この地区での取り組みをお聞きしました。…


Ⅲ-4.さらなるステップアップ!認定言語聴覚士(摂食・嚥下障害領域)誕生へ

岡田澄子

岡田澄子(藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科:当時)

看護領域ではすでに認定資格となっている摂食・嚥下障害の専門資格が、平成20年より日本言語聴覚士協会の認定資格制度に位置づけられました。受講後の試験に合格すると、認定言語聴覚士(摂食・嚥下障害領域)として同協会より認定されます。 この認定資格制度の立ち上げに尽力された、藤田保健衛生大学医療科学部…


Ⅲ-5.摂食・嚥下障害の評価と対応 ~医療・福祉現場の取り組み~

神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会(相模原地区)

摂食・嚥下機能の評価や障害のレベルにあったリハビリテーションや口腔ケアの重要性が叫ばれる一方、どこで、誰に相談すればいいのかわからない、という声が、患者だけでなく、医療・福祉関係者の間でも、まだまだ多く聞かれます。 ここでは、神奈川摂食・嚥下リハビリテーション研究会の取り組みを紹介します。 …


Ⅲ-6.医療・福祉・教育現場の連携で摂食嚥下機能の向上と身辺自立の支援を!
    ~第2回群馬県知的障害者(児)摂食・嚥下研究会~

群馬県知的障害者(児)摂食・嚥下研究会

今回は、群馬県知的障害者(児)摂食・嚥下研究会の取り組みを紹介します。学童期の摂食・嚥下リハビリテーションは、さまざまな体験を通して身辺自立を獲得してゆく、成長期ならではのポイントがあります。医療・福祉、そして教育現場の連携を訴える当研究会の様子をレポートしました…

Ⅳ 胃瘻を使いこなす(患者・家族体験記)

Ⅳ-1.味わう喜び、それを支える喜び。胃瘻のおかげでリハビリに集中!

長嶋さんご家族

長嶋吉男さん・雅子さん

二度の脳梗塞、肺炎、不明の熱などで入退(転)院を繰り返しながらも、途切れることのないリハビリテーションを経て市川のご自宅に戻ってきた長嶋吉男さん。現在胃瘻から必要な栄養・水分を補給しながら、味わうことを楽しむ生活を送っている。…

Ⅳ-2.飲み込む力が低下したときこそ、胃瘻を味方に!

村井良さん

村井良さん

PDN通信17号〈胃瘻と口腔機能〉の取材にご協力いただいた「Mさん」こと、村井良さん。口から食べさせることにこだわったがゆえの、奥様の肺炎-その体験から村井さんが考えた胃瘻導入のタイミングとは?

過去のPDN通信の全文を無料公開中!この機会に是非ご覧下さい。
※現在公開中のPDN通信は、創刊号~第10号まで。順次追加していく予定です。