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患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第82号のご案内

【巻頭言】
在宅医療
トピックス

【巻頭言】老年栄養についてもっと議論を

 国立長寿医療研究センター 老年内科 医長 前田 圭介

【特集】口腔から健康を考える、豊かな暮らしへの第一歩

 東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野 講師 山口 浩平

【特集】「口から食べる」ことをサポートする様々な歯科治療

 笹栗病院 鈴木 宏樹

【PDNレクチャーから④】最期まで食べられる口づくり
            高齢者の口腔状態改善へのアプローチ

 ふれあい歯科ごとう 代表 五島 朋幸

【Opinion ~私はこう思う~】

[医師]経管栄養患者さんの尊厳奪還を目指して
 むねむら大腸肛門科 今里 真

[歯科医師] 三位一体歯科で取り組むフレイル予防
 大阪歯科大学 講師 奥野 健太郎

[看護師]市民公開講座実施報告と市民の摂食嚥下障害への関心

 NPO法人多摩胃ろう摂食嚥下ネットワーク事務局 近藤 和子

[管理栄養士]看取りと栄養補助食品の有効性

 特別養護老人ホーム恒春園 本田 美鈴

【セミナー便り】 第10回 九州PEGサミット 開催報告

 イオンタウン田崎総合診療クリニック院長 城本 和明

【私の病院、紹介します!】 全ての患者さんに最適な栄養を!

 東京女子医科大学附属足立医療センター 西口 遼平、佐川 まさの

【Topics】だれもが困りごとをじっくりと相談できる場を

 精神科訪問看護サービス こもれび 谷澤 早紀、森本 真輔

【連載】 介護食紹介 ・病院食・施設食・在宅食⑭ ムース食

 社会福祉法人妙心福祉会 特別養護老人ホーム ブナの里 新潟県妙高市

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PDN通信第81号編集後記

PDN通信第82号 編集後記  PDN理事長 鈴木 裕

 とんでもない論文を見つけました。2020年9月に医学雑誌Radiotherapy and oncology(IF 6.28)に掲載された「The tubarial salivary glands: A potential new organ at risk for radiotherapy」という論文です。前立腺癌の研究において、偶然に鼻と喉に繋がる部分にこれまで知られていなかった約4㎝の一対の新しい臓器(管状腺)を発見したという内容です。これが真実であるならば、世界中の医療者すべてが、何十年にも渡って臓器の存在を見落としていたという事になります。生命を遺伝子のレベルで議論する時代にです。私は、少し天の邪鬼的なところがあるので、医療者がこの新しい臓器を今後どう捉えるのかに興味が惹かれます。意外と躊躇いなく受け入れるのかもしれません。
 前置きが長くなりました。82号では偶然、口腔機能の問題が多く取り上げられました。口腔機能の問題は、古くて新しく、そして極めて重要なテーマです。多くの執筆者が述べているように、口腔機能は健康増進、維持、予防の一丁目一番地なはずです。私の灰色の脳細胞に多くの疑問が過ります。なぜ、こんな重要な問題が今まで注目されなかったのか。少し管状腺に似ているような気がします。答えは意外とシンプルなのです。医療者にとって学生、研修、修練期において口腔機能の問題が重要だと習わなかったからではないでしょうか。
 82号を、このような穿った見方で読んでいただけると幸いです。  

(2023年1月27日発行)

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