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2003.10.06
2003年9月27日、別府ビーコンプラザで開催された第八回HEQ研究会は、550名もの参加をもって盛況のうちに無事終了した。
9月に入り、大分合同新聞、読売新聞など大手マスコミがこのHEQ研究会開催とPEGについて取り上げていた。一患者・家族だけでなく、社会全体がPEGおよび栄養管理をめぐる情報を求め始めたということではないだろうか。また、今回は会員以外の一般の参加もOKということで、よりオープンな研究会へと変わりつつあるようだ。
⇒ 当日のプログラムはこちらから
当番世話人、北野正剛先生(大分医科大学第1外科教授)の開会挨拶に続き、PEGをめぐるさまざまな視点からの講演・報告そして質疑応答が、限られた時間の中で活発に繰り広げられた(プログラム参照)。地域連携や
在宅支援のセッション
では、<造ったところからスタートする胃ろうライフ>をいかに安全・安心なものとしてサポートしてゆくかが討議された。
PDN通信5号の「尾道医師会方式」にみられるような多職種の連携によるチームサポートの必要性は、しばしば取り上げられる。胃ろうを造った患者さんは患者である以前に、そこに住む生活者(たまたま栄養補給ルートとして胃ろうを持つ)であるという認識を持ち、生活するための環境を整えQOLを向上させることを共通のゴールとして、各々が専門分野・得意分野で知恵と力を持ち寄って関わっていくことがチームサポートではないだろうか。事実、自施設の例を挙げ「サポート体制の整わない在宅療養は患者さんにもご家族にも受け入れられない」という報告もあった。
北野正剛先生
穴につまずいて転んだ人を助け起こす以上に大切なのは、その穴を埋めて転ばないようにすることではないだろうか。造設時・交換時のトラブルや間違ったケア、「医療行為」という法律上の制約、保険適用と自己負担、そして胃ろうへの誤解…まだまだ穴ぼこだらけのPEGの道を、誰でもいつでも安心して歩いてゆけるよう、身近なところから埋めていくことが求められている。
(当日のPDNの受付の様子)
北野先生のご提案で末広がりの漢数字「八」が用いられた今回のHEQ研究会に続き、来年の第9回HEQ研究会は、北海道大学第2外科教授 加藤紘之先生を当番世話人に開催される。また、それに先立ち11月1日には同教授を代表世話人とする
北海道胃瘻研究会
が札幌で設立される。地域特性を考慮した在宅療養の支援を行うには、一定の地域や都道府県といった身近なところで研究会やネットワークが設立され、その情報が公開・共有される必要があると思う。
PDNはこのような専門領域で報告・討議されている情報を、ホームページや「PDN通信」を通して広くわかりやすくお伝えしていくつもりである。ご意見・ご要望をはじめ、ネットワーク発足やセミナー開催の呼びかけ・開催後のレポートなどにも、奮ってPDNをご活用頂きたい。
(編集部 岡崎佳子)