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●PEGと出会って開業を決意する!
 だから、栄養療法においては、消毒などせずに素手で扱うことのできるPEG、患者を抑制することなく太い径で栄養を送り込むことのできるPEG、これに勝る手段はないのである。
 私の勤務していた石川県済生会金沢病院では1987年よりPEGを導入していたが、この手技の価値は在宅医療においてこそ認められるのではないか、と常々感じていた。

  そして、このPEGを用いて在宅の現場に十分な栄養療法を提供すれば、経口摂取困難になった患者の日々の生活に安心を与え、ひいては開業医に対する信頼感につながるのではないか、と夢を見て開業医になることを決意した。少なくとも、PEGで仮に1日1200キロカロリーの十分な栄養管理を受けていた患者が急変したとしても、わずか数日の中心静脈栄養で元気になる、といった間抜けな思いはしなくても良いはずだ、と思った。
 

北國新聞 平成11年11月20日より
●「PEG専門クリニック」としての5年
 私の開業医としての5年は、まさに「胃瘻専門医院」「PEG専門クリニック」としての5年であった。うれしいことに今では、開業医仲間からも「PEGのことなら小川に訊け」と、副主治医としての往診依頼がある。

  初めてPEGを導入する病院からは、第1例目は絶対に失敗したくないから小川を呼ぼう、と造設のバイトの依頼がある。いろいろな町の医師会で講演をさせてもらい、友人も出来た。
 本当に5年間、PEGで楽しませてもらった。今度はインターネット上で、皆さんとPEGについて語り合うことができるのは、この上ない喜びである。

「PEGへのご案内」(2001年6月30日発行)より


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