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まごむすめ(孫娘)


孫娘は、今年ピッカピカの1年生になりました。

住んでいるのは、私方から75キロくらい離れた千葉市で、2~3ヶ月に1度の割合で帰省します。
幼稚園時代は、年少組・年中組・年長組と3年行きました。
年少組の中ごろのとき、女房が私の残尿処理のためにお腹の付近を押していたら、近くにきて「見ーちゃった、見ーちゃった」と(私の大事なものを見たと)はやしたてました。

女房が「ジイジはね、ひとりでおしっこが出来ないの。だからバアバが手伝っているんだよ。ゆうちゃんも手伝ってくれる」と言ったら、じっと女房の様子を見てから「ゆうみも手伝ってあげるね」と言って私のお腹を押しはじめました。

その顔は、なんとかおしっこをしぼり出そうと真剣でした。

その後、帰省するたびに女房を手伝って私のお腹を押していました。

年中組の中ごろになって、女房がイリゲータを用いて流動食やおやつを注入しているのに興味を持ち「ゆうみもやる」と言い出しました。

子供の興味はどこまで行きつくのかわかりませんが、イリゲータでの注入方法を一通り教えてから、調節器を用いて女房が「こっちに回すといっぱい出過ぎてジイジのお腹が驚いてしまうし、反対に回すと少しなのでもっと入れて欲しいよ、とジイジは思っても、声が出ないので調度良くしてやらないとね」と言って流動量の調節方法を教えました。

その後に、イリゲータをPEGに接続する方法を再度教えましたら、本人の興味は尽きませんでした。

年長組の後半になると、付添い人なしで、流動食をイリゲータに入れてもって来て、所定の場所に引っ掛けて、PEG(チューブ方式)の先端を折り曲げてイリゲータの先端と接続させ、流れ出ないようにしてあるので、調節器で流動量の調節をしてくれます。
そのやり方は、的確で今まで10回程度ですが、トラブルはおきていません。

子供が興味を持ったので、それを助長させたのですが、私もその可能性にちょっと驚きました。だからと言って、幼稚園児でもできるというほど短絡的には考えている訳ではありません。

しかし、これが医療行為になるということですが、口角泡を飛ばして議論するほどのことではなく、在宅療養の場合は撤廃して、生活必要行為としていいのではないかと思いました。


ALS(筋萎縮性側索硬化症)

筆者:照川 貞喜(63歳)