飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる181

京都府 飛田洋さん(74歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ハンサ・無責任/二行きめる個人の見解

《天子は南面す》 平成30年3月1日(木曜日)


 普通の平成っ子には 《天子は南面す》 なんての意味不明、
わっからないだろうと、思いながら書いている。

 

 私の学童時代は、白衣の傷痍軍人を多く見ていた。町内にも
復員兵の方がおられ、優しそうな小父さんが馬に乗って威張ってた

憲兵隊長とか、いろんな階級の大人たちの武勇伝を縁台将棋の
野次馬をしながら、苦労話を色々聞くのが好きだった。印象に残っ
ているのが何故か、時代錯誤な《天子は南面す》。

 中二の時、トラックの荷台の荷物が落ちない様に兄たちと初めて
駅まで行った時、まだ市電の走ってた烏丸通りの軌道と左右の車
道幅の違いに気が付き尋ねると、陛下がお越しになると広い車道
を往復なされると聞き、途中にある東本願寺の、《菊の御紋》を
よけて市電も走ってた。御所は上京区、駅は南区にあったから
《天子は南面す》の言葉が何とか理解出来た。

 

 その後は受験戦争はしのぎ兎小屋から光化学スモッグ警報中の
通勤地獄を耐えて経済戦争に巻き込まれた。その反動で起きた
のが交通戦争。余りに多い事故防止の為、競争のように陸橋(歩
道橋)が設置された。

 40年近い運転歴で、問題の烏丸通りを、往復なされるコースを
数え切れないぐらい、往復していたが、私に陸橋の記憶がない。

これは行幸の際に、陸橋から車列を見下ろすと不敬罪?だと
関係者が忖度したとか、しないとか。前世紀の事であり今世紀は
走行してないので、定かでない。興味のある方は確めて下さい

 

そこで  《忖度は 損得聞くより 気に成らぬ》  だってさ

■ ハンサ・無責任者二行きめるの《二行詞》


・懲りもせず飽きもしないで武器使用 誰が得する誰が損する


・老いの身に暑い寒いは耐えられる そんな気配り心配いらぬ


・戦争の道具に落ちた五輪なら 何処が平和の御祭りなのか


・二代目の仕切り屋さんは忙しい 新米ばかり目も当てられぬ


・果たし合い名こそ違えど殺し合い 武器商人の笑い止まらぬ


・マスクせず持ち込み禁止のウイルスを 手足動かぬ寝た切りの部屋


・オーバーなひなだん芸と番組は いくら閑でも見る気がしない


・甲斐性なし他人の不倫の話題より 先に行かれた悔しさ滲む


・触れぬのに何故か懐かし二段腹 冷やかす事で刺激呼び込む


・冷えた手で上半身に触れるなよ その差はげしくショックを呼ベリ


・知らぬなら黙っていろよコメンター 無知が信じる馬鹿が広める


・あれで無し此れで無しよと夜明け前 みんな寝ている一人妄想


・習慣は恐いものだと知りながら 知らず知らずの意志の弱さよ


・孝行の真似ごとぐらい尽くしたと 我が両親をひさびさ想う

≪感謝暮らし≫

≪とても好き≫



仕事の虫だと  天職と
自信過剰で   居った俺
にわか介護に  耐える君
感謝せずには  居られない
 文句ばかりと  言うけれど
 文句の云える  俺でない


結婚記念日   選りにより
動けなくなる  馬鹿な俺
重い荷物を   背負う君
感謝せずには  居られない
 文句ばかりと  言うけれど
 話の出来る   筈がない


今年も変わらぬ 日々だけど
何も出来ない  駄目な俺
笑顔明るさ   耐えぬ君
感謝せずには  居られない
 文句ばかりと  言うけれど
 云えたら良いね 嬉しいね


『一』
とても好きだよ 君が好き
素肌は魅力だ  変わらない
歳に応じて   どうしても
変化するのも  とても好き
 俺が亭主だ   宿六だ
 素肌は綺麗だ  変らない
 手櫛が似合う  可憐さが
 忘れ難くて   とても好き

『二』
とても好きだよ 欲目かも
素肌は同じさ  変らない
整形美人にゃ  勝負せぬ
未だ誇りが   とても好き
 誰が飛ばした  噂だか
 素肌は懐かし  変らない
 化粧美人にゃ  適わぬが
 特にすっぴん  とても好き


≪ろくでなし≫

≪明日は不用≫



俺が勝手に   惚れたのに
甘い言葉を   並べ立て
どんな口説きを してたのか
今は忘れて   五十年
名前ばかりの  青春で
ろくなものでも なかったな


騙すつもりは  有得なく
空の念仏    お題目
騙す結果で   終り待つ
大志大望    夢の夢
身の丈合せりゃ 良かったが
ろくな答えが  出て来ない


自業自得の   身の上は
誰も恨みは   出来ないが
君の文句にゃ  目を瞑り
日夜反省    しておくよ
何が幸せ    だろうとも
ろくな暮しで  なかったな


『一』
下手を承知で  詞作中
皆さん突然   邪魔するが
 それで迷惑   支障出る
俺は集中    したいのに
常にやる気が  奪われる
 俺にゃ 明日 あした は  不用だぜ

『二』
下手で悪いな  美田なし
稼げぬ芸で   趣味の域
 大人しいなら  目を瞑れ
痛い辛いと   騒ぐより
生きる限りを  ひまつぶし
 俺にゃ明日は  儲けもの

『三』
下手で結構   印税を
目当てで暮らす 生活は
 そんな気持は  毛ほど無い
どうせ自身の  閃きも
視野の範囲も  しれている
 俺にゃ明日は  有り難い


主治医より一言

《天子は南面す》

 昭和っ子の小生も《天子は南面す》は知りませんでした(笑)。調べてみると、天から統治を許された人物は北極を背にして南を向くという意味だそうですね。左は東側で、東から日が昇るので日本では左が有意とされている様ですね。大変勉強になりました。ただ、海外に目を向けるとオリンピックの表彰台では、金メダルの方の右側が銀メダルですから、興味深いですね。これからも色々と御教示の程 宜しくお願いします。