飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる138

京都府 飛田洋さん(70歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

FAX送信のご挨拶

ベッドの主で久しい、世間音痴にならぬように、朝はA局
昼はB局、夕方はC局の情報番組を欠かさず見ている。

CMの目立つD局はしらけるので遠慮している。三社でも
同じ事件、事象、政治問題まで大きく違っている。

報道に偏見は許されないが、方針なら許されるのか

見比べて見るのは、色々な発見で、ひまつぶしになる。

問題発言を誘引するのも多いから始末に悪い。

【俺流・文句と違う・ぶんくやで】

※ 早く来て 遅くなるまで やる気なし

※ 後で知り 知らぬが仏で ホッとする

※ 見るTV なくてVDを 観て過ごす

※ 週あけて やっと普段に もどれそう
※ 惨めでも 寒さ知らずの かほうもの

※ 久しぶり 笑いこらえる 今日の風呂

※ 希望聞き 知らぬ顔には あきれはて

※ 都知事選 夢まぼろしに 手を上げる

※ 嘆かわし 大正生まれに 見たナース

※ 言う事は 立派なれども やれるかな

※ ソチ五輪 テロの不安が つきまとう

※ 年越しの 便り来たりぬ やっとかめ

※ 利益追い 破産しかねる 怪我をする

※ ノロ予防 手洗い出来ぬ 身はつらし

すぐ彼岸だ春だと、退屈しながら自分に言い聞かせつつ
皆様のご健康を、寒さ厳しき中お祈り申し上げます。

平成26年2月1日(土曜日)

飛田 洋

わかるまい

プラス思考


『一』
やれる事なら  出来たのに
出来ぬ辛さが  わかるまい
 何でも出来る  アンタらが
 横を向いてる  逃げている
そんな気持が  わからない

『二』
逢えぬ親父と  おふくろに
夢で良いから  見てみたい
 文句と愚痴を  云いたいな
 運命なんかと  聴きたいな
それで戻れは  しないけど

『三』
欲しい物には  手が出せて
食べる楽しみ  わかるまい
 若さはいずれ  アンタらと
 縁もゆかりも  なくなるぞ
後のまつりと  口惜しむな


『一』
辛い辛いと   思うから
辛く感じる   病気だよ
 貴方一人の   苦しみと
 重く意識を   集めずに
少し忘れて   過すのだ

『二』
嫌だ嫌だと   接すれば
嫌に感じる   世の中だ
 貴方一人の   悩みだと
 深く掘下げ   迷わずに
楽な生き方   薦めるよ

『三』
恐い怖いと   恐れると
恐く感じる   世間だよ
 貴方一人を   相手せぬ
 強い不安で   歩くより
一か八かと   腹すえろ


なんとなく

邪魔するな


『一』
眠る時間に   寝入れない
夜風の音も   気にかかる
考え込んで   しまうけど
不眠症では   ないだろう
 頭なんかは   さえぬから
 宵の月だね   なんとなく

『二』
赤ら顔して   ベッド背に
不細工等と   呼ばれてる
頭がいつも   燃えるのは
後遺症かも   しれないね
 中途半端に   生きるのは
 夏の炬燵だ   なんとなく

『三』
心のこして   おらぬから
忘れる事は   かまわない
この年寄で   ありますが
痴呆症では   ありません
 期待外れの   むなしさは
 冬の花火さ   なんとなく


『一』
次から次へと
何だかんだと  邪魔するな
寝たきり爺の  邪魔するな
 誤字や脱字の  ミスよりも
 でかい間違い  起きるよで
 不安ばかりを  抱きまくら

『二』
朝から晩まで
思いつくまま  邪魔するな
一人あそびの  邪魔するな
 寝てる赤子を  起こしたら
 泣いて騒ぐぞ  むずかるぞ
 それの覚悟は  アルマジロ

『三』
後から後から
自分ペースで  邪魔するな
パソコン命の  邪魔するな
 つまり夢中で  してるのに
 空気読めぬか  わからんか
 我慢ばかりを  サスペンス


退屈しのぎと言うけれど

寝たきり爺はパソコン命


『一』
退屈しのぎと  言うけれど
退屈知らずで  いるのだよ
 何も出来ずに  ぼんやりと
 TVばかりを  見ていたら
  意思を伝える  パソコンを
  薦めてくれた  主治医から

『二』
退屈しのぎと  言うけれど
退屈知らずの  明け暮れさ
 どうも苦手と  逃げていた
 信じられない  過去があり
  今ははなせぬ  パソコンで
  作詞もどきの  文字あそび

『三』
退屈しのぎと  言うけれど
退屈知らずで  しあわせさ
 夢は途切れて  消えたけど
 欲も捨てたと  足るを知り
  ベルを忘れて  パソコンは
  時間つぶしの  ひまつぶし


『一』
寝たきり爺は  パソコン命 ☆
 作詞もどきで  文字あそび
記憶まかせの  でたらめが
下手な屁理屈  産んでいる
 金にならぬと  言うけれど
 欲にぼけぬが  負け惜しみ

『二』
寝たきり爺は  パソコン命
 作家気取りで  ひきこもる
過去の思い出  あこがれに
筆をくわえて  書いている
 誤解するのも  いるけれど
 虚構なんでね  悪しからず

『三』
寝たきり爺は  パソコン命
 作詞まがいに  ひまつぶし
過去の歩みを  しがらみを
他人みたいに  書いている
 悪く取るのも  良いけれど
 前を見ないと  向かえない

☆ 爺~じじい

主治医より一言

<<わかるまい>>

 昨年12月と今年1月に、身近で死に接する機会がありました。

 仕事柄、多くの死に接していますが、あらためて命の尊さと共有していた時間の重みを思い知らされました。

 「決してあきらめない」と云う言葉をよく耳にしますが、これは、今の時間を大事にすることと同じように思っています。