質問 胃がん切除・腸閉塞患者への適応    From 入院治療中の妻をもつ夫 (No.1779)
私の妻(53歳)は昨年10月に脳出血で倒れ、以来重度の意識障害で入院治療中です。現在鼻孔から流動食を入れていますが、胃ろうを希望したところ、10年前に胃ガン切除の開腹手術をしており勧められないと担当医(脳外科)の方から云われました。妻は胃ガン手術の6年後には腸閉塞をしており、癒着の可能性が高いかも知れません。果たしてPEG適応の可能性は無いものでしょうか。 

Re:胃がん切除・腸閉塞患者への適応  From カネコ@北海道
>入院治療中の妻を持つ夫様

  まず、胃切術後の患者さん、特に胃癌による胃切術後ではPEGの適応はほぼ無いと考えて良いと思います。PEGを造設するには胃が十分にふくらんでいる必要があります。胃切術後の患者さんではこれがまず難しいです。特に胃全摘術後の患者さんではまったく不可能です。また、胃の上に腸管が癒着していれば誤ってそれを刺してしまう・・・と言うリスクも大きいです。
  そういう患者さんではPTEG(経費経食道的胃管挿入術)という方法もありますが、先頃厚生労働省から保険適応をはずされてしまったので、現在積極的に行っている先生は少ないと思います。つまり、PTEGにかかる費用(手術料、チューブ代など)はすべて自己負担になってしまったのです。

  従って現在考えられる方法としては、今の経鼻胃管栄養を継続する、開腹手術で胃瘻・腸瘻を造設する、と言う方法があります。経鼻胃管についてのリスクはすでにご存じだと思います。開腹胃・腸瘻造設は胃切除後で癒着が疑われている場合、手術自体にリスクを伴います。

  残念ながらどの方法をとるにせよ、リスクは免れないと考えます。

 

Re:胃がん切除・腸閉塞患者への適応     From ポンタやっこ
入院治療中の妻を持つ夫様

父(74歳)が、パーキンソン症候群とみられる嚥下障害で肺炎を頻発し2ヶ月半入院しております。
入院後も、摂食による誤嚥や気管への無意識のタレこみにより2回の肺炎を起こし栄養不良となり、担当医師(内科)から胃ろうをすすめられました。
しかし20代に十二指腸潰瘍と胃潰瘍を手術、よって胃は健康な人の四分の一しかなく胃ろうは断念。「胃ろうがダメなら腸ろうを」という外科医師のすすめには、40代で腸閉塞を手術してその後も体調によってたびたび患部が癒着することもあり、本人も家族も躊躇しました。
しかし、本人の体力が限界に達しつつあることや、「胃ろうも腸ろうも不可能」「手術のタイミングを逸して間に合わず悲しい結果を招いてしまった」という方のお話を聞き・・・。デメリットよりもメリットが大きいと判断し、医師と相談のうえリスクもありますが腸ろうの手術に踏切りました。
まだ手術してから一週間ですので、長期の経過はお伝えできませんが、経鼻チューブからの開放は思った以上に本人に良い影響を与えています。(口から出せなかったタンが手術後3日目には出せたことなど)
入院治療中の妻を持つ夫様も、一度腸ろうの相談をされてみては、と思います。