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No.55 胃瘻カテーテル交換について   From おまぷ

鮒田式にてPEGを造設しています。13Frのキットを使用して1ヶ月後に14FrにサイズUPしています。その後も1ヶ月ごとに2FrずつのサイズUPを試みていますが、見事に全員がろう孔が小さくて毎回苦労しています。14FrからサイズUPできない人もいます。交換時期は早いのでしょうか?無理に挿入して造影したところ胃外に漏れがあった症例もあります。カテーテルの先端バルーンの部分で挿入困難なのです。ろう孔自体の問題なのか造設後の交換時期の問題なのか誰か教えてください。メーカーにも立ち会ってもらいましたがいまだに問題解決には至りません。周囲からは攻められるし大変な私を救ってください。


Re: 胃瘻カテーテル交換について From S-AYASE

初めまして・・・・、おまぷさんは、お医者様・・・ですよね?単純な質問で、恐縮なのですが、どうして、そんなに早く瘻孔を、大きく広げていく必要があるのかを教えて下さい。私は10数年、在宅医療部にいるナースですが、同じく13Frから開始して、退院時には、14Frですが、そのまま何事もなく、1年後にようやく16Frに変更したり・・はしていますが、何も支障はありません・・・が?勿論、その間、1月毎にカテ交換しています。担当医師からは、「交換時、太く出来そうだったら、して下さい、でも、無理はしなくていいです・・・」との指示で動いています。一度聞いた事がありますが、その時の回答は「細いままだと、抜けた時に、すぐ閉じる危険があるから・・・」だけでした。1回/週の訪問看護で、確実に管理させて頂いていますので、14、もしくは16Frのままでも、トラブルはありません。逆に24Frのボタンの方が一人いらっしゃって、この方は漏れがひどく、気の毒です。(瘻孔ががふがふ・・・)


Re: 胃瘻カテーテル交換について From みっくん

 私の所では普段は24Frのボタン型で造設しています(100人くらい常時みています).他院で18Frのボタンで造設した方の往診も担当させていただいていますが、詰まりやすいため家族や看護婦からはSize upの要望があり、少しずつ太くして最終的には24Frにするようにしています.また、以前はイントロデューサー法で12Frバルーンチューブから造設して、おまぷさんと同様に14FrまでSize upし自宅に帰すという管理をしてきましたが、家族を含めヘルパーや不特定多数の素人が管理する在宅では14Frではやはり詰まりやすく、抜けた場合にも瘻孔が閉鎖しやすいので、在宅で家族が管理する事を考えると可能なら太いものが望ましいと思っています.現実にはS-AYASEさんのようなプロフェッショナルの方々が24時間関れる恵まれた状況ばかりではないので、多くの方が簡単にトラブルなく管理できることを考えるとやはり20Fr以上の太さがいいかと思っています.(一部の流動食や栄養剤は粘度が高く、20Frや24Frでも詰まる事があります.また、薬の性状によっても顆粒剤などは詰まりやすいので要注意です.)
 Size upについて、私の経験に基づく「こつ」を幾つか御紹介させていただきます.まず、大原則は「安全第一」で、通常の入れ換えは自宅でしていますがSize upをする場合は病院が原則です.交換時期は瘻孔完成後であればいつでもOK.1ケ月後で十分と思います.特にチューブ型は汚くなりやすいのできちんと交換すべきでしょう.Size upの幅が大きい時にはペアンを用いて瘻孔を慎重に拡張し方向を確かめます.バルーン型のSize upは時にバンパー型よりも難しい事があります.要注意です.手ごたえに自信がなければ内視鏡か透視で確認して下さい.これが一番大切です.
 こうした、Size upはやはり若干の危険をどうしても伴います.そこで、おまぶさんに御紹介したい方法は、イントロデューサー法なら現在は15Frまでは一期的にできますので15Frの造設にするかプッシュまたはプル法で20Fr以上の胃瘻を初めから造設してしまう方法です.いかがでしょうか.参考になれば幸いです.


Re: 胃瘻カテーテル交換について From Boder.S

ついでに私も一言。イントロデユーサー法もいい方法だと思います。新しく太いのも出ましたし、あまり日常的に動けない方には無理にボタンに交換しないで使用しています。訪問看護の場合看護婦さんが入れやすいというのも利点です。こういった患者さんの場合は栄養剤としてツインラインを使用しています。これならそんなに広げなくても詰まりません。確かに広げるのを1ヶ月ごとに2FrずつのサイズUPはきついのかも知れません。イントロデユーサー法からボタンにも出来ますし患者さんの状態に合わせて栄養剤など選択されるのがよいのではないでしょうか?あまり大きくなりすぎても万一周囲の皮膚がびらんなど起こしてもっと広がった場合に対処できなくなった症例が紹介できたことがありました。抜けた場合の態勢にもよるとも思いますが慣れるとイントロデユーサー法も捨てがたいものです。いろんなやり方、栄養剤の選択可能になっていますのでその分だけ患者さんにフィットできるものを選ぶ幸せが10年前に比べて増えています。ストーマリハビリ、褥瘡も同じですね。余談ですが昔、胃壁固定具がない時代などはどきどきしてましたから。


Re: 胃瘻カテーテル交換について From yutaka suzuki

Boder.Sさんに同感です.胃瘻は,患者さんの状態,家族・施設環境によって選択すべきでしょう.
 今,20もしくは24Frの胃瘻を一期的に造ることは簡単かつ安全に行えます.繰り返しますが,胃瘻は,患者さんの状態,家族・施設環境によって選択すべきです.しかし,強調したいのは,患者さんにとって最も安全で使い勝手がよいものが良いのであって,医療者にとってよいものを選択すべきではないことです.今,医療は変わろうとしています.患者が中心にいない医療は消えざるを得ません.