[No.343] 経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:もっち 2002/10/09(wed) 12:18:40 [MAIL]

こんにちは、訪問看護師のもっちです。No308でお伺いした利用者さん(ワンステップボタンの中を通して空腸付近までチューブを挿入している方で固定に苦労している)の件で、PEG造設医に相談したところ、瘻孔完成後に専用の経胃瘻的空腸栄養チューブに交換しましょうということになったので、資料を集めています。各メーカーさん、これがお勧めという先生方、お教え下さいませ。以前談話室で太朗先生が、胃内容物吸引の必要性が無ければシングルルーメンの方が挿入も管理もし易いとおっしゃっていましたが、ダブルルーメン・シングルルーメン両方の利点・欠点もお教えいただければ幸いです。この方はすでにワンステップボタン24FrでPEG造設済みで、胃噴門部付近の胃癌で通過障害があるのですが、どちらがお勧めでしょうか?現在はまだ経口摂取ができますし、嘔気は時々ありますが、嘔吐はありません。少ない情報で盛沢山の質問ですみません。よろしくお願い致します。(資料を送っていただけるメーカーさんはメールを下さい)

[No.343のレス] Re:経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:みっくん 2002/10/09(wed) 21:45:00 [MAIL]

こんばんはもっちさん.(今週はちょっと調子の悪い)みっくんです.
 私が好んで用いているのは「ネオフィードジェジュナルチューブ(シングルルーメン)」です.太さは20〜22Frのものを使用しています.(もともと造設している胃瘻は24Frの製品で造設しています.)瘻孔が完成してから、胃瘻ボタンやチューブは抜いてしまって、瘻孔から直接ジェジュナルチューブに入れ換えています.(イレウスチューブ用のガイドワイヤーなどを使います.)この製品を利用している理由は、胃瘻カテーテルの内腔を通すタイプの製品と比べて太いため、詰まりにくく、胃瘻チューブの管理手技がほとんどそのままで応用できるので、在宅や施設での管理がしやすいからです.(大きな違いは入れ換える時に念のため病院にきてもらうこと位です.)
 ダブルルーメンの製品にはネイフィードガストロエンテリックチューブというのがあるので、胃内容物の吸引減圧を同時に行う必要がある方がいればそちらを使ってみたいと思っています(まだ経験はありません).
 普通はシングルルーメンで十分管理可能と思います.それでも、唾液や胃液がゲプゲプと口からあふれたり、瘻孔周囲から漏れたりする時にはダブルルーメンとして、胃内容物を吸引してあげることになります.
 もっちさん御相談の事例は胃噴門部付近の胃癌で通過障害があるとのことですので、胃液の逆流は構造上おこりにくく、腸瘻にするならシングルルーメンで十分なのではないでしょうか?(でも、もう一歩さかのぼって、普通の胃瘻ではどうしてもだめなのでしょうか?同様のケースで胃瘻による管理を何例も経験しましたが、食道胃逆流がないためほとんどは普通の胃瘻の方よりゲプゲプも少なく、胃瘻栄養のよい適応だと思っています.)

[No.343のレス] Re:経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:太朗 2002/10/09(wed) 21:51:39 [MAIL] [HOME]

もっちさん こんばんは
外来がヒマなので元気のない太朗です.
今回はmoemoe先生風にお答えします.

●シングルルーメンの利点
・内腔が太いのでつまりにくい
●シングルルーメンの欠点
・胃内吸引が出来ない
・バルーンが割れると抜けてしまう
●ダブルルーメンの利点
・胃内吸引が出来る
●ダブルルーメンの欠点
・栄養チューブが細くつまりやすい

moemoe先生のようにかっこよく説明できませんが,おおざっぱに言うとこんなところでしょうか? でも実際の話,ダブルルーメンってそんなにうまくいない減圧が出来ないように思います.注入も狭い,減圧も狭いの二重苦で結局はイマイチというのが,ダブルルーメン経胃瘻的空腸栄養チューブに対してのボクの印象です.(メーカーさんゴメンナサイ)

 さてもっちさんの提示された幽門狭窄症例ですが,減圧と栄養摂取を分けて考えた方が良いと思います.

まず減圧に関しては単純構造のPEGチューブを勧めます.理由は充分な減圧を行えるチューブの方が,いろいろなものを経口摂取できるからです.ダブルルーメンチューブの貧弱な減圧路だと,チョット固形物を食べるだけでスグつまってしまいます.お粥もお饅頭も食べれません.最後は本人の選択ですがボクが患者だったらイヤだなー.
 また栄養注入に関しては,症例の予後により中心静脈栄養も考慮すべきと思います.経胃瘻的空腸栄養チューブを狭窄部を経由して留置するのは理論的にはかっこいいのですが,いざつまると大変ですし,交換するときには血だらけになることは間違いないでしょう.またチューブの接触自体が病変部からの出血を惹起するかもしれません.
 あくまで私的理屈なのでその範囲で御参考にして下さい.

書き終わったところで見てみたら「みっくん」先生のコメントがありました.ボクの出る幕はありませんが,せっかく書いたのでカキコします.

[No.343のレス] Re:経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:おサル先生 2002/10/09(wed) 23:07:08 [MAIL]

もっちさん、こんばんわ。みっくん先生、太朗先生、元気を出してね。さて、みっくん先生は「噴門部狭窄」とおっしゃるし、太朗先生は「幽門部狭窄」とおっしゃるし、そもそも、もっちさんのご相談の患者さまは栄養胃瘻目的?減圧胃瘻目的?その両方?? 何だか読んでいて頭が混乱してきました。誰かもう一度説明して@@@@

[No.343のレス] Re:経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:太朗 2002/10/09(wed) 23:40:03 [MAIL] [HOME]

太朗です 失礼しました
みっくんの噴門が正解です.ボクの幽門は間違いです.スミマセン.幽門の場合答えとしてです.御勘弁下さい.

[No.343のレス] Re:経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:もっち 2002/10/10(thu) 10:54:38 [MAIL]

みっくん先生・太朗先生・おサル先生いつも丁寧なレスありがとうございます。相談の事例は「噴門部狭窄」の方です。みっくん先生のおっしゃるように、普通の胃瘻ではどうしてダメなのか私にもわかりません。PEG造設医に聞くと在宅主治医にお願いされたと言い、在宅主治医に聞くとPEG造設をお願いしたら空腸栄養チューブが挿入されていたと言い。私も頭が@@@@です。思いきって「空腸チューブを抜いてみてはどうでしょうか」と在宅主治医に掛け合ってみようかと先生方のレスを読んで思いました。

[No.343のレス] Re:経胃瘻的空腸栄養チューブの資料を集めています From:太朗 2002/10/10(thu) 12:27:34 [MAIL] [HOME]

 皆さんこんにちは 太朗の恥の上塗りレスです.
 ボクももっちさんと同じ意見です.噴門狭窄の方なら通常の胃に比べて胃食道逆流が少ないので,普通の胃瘻の方が経胃瘻的空腸栄養チューブよりずっと良いと思いますネ.
 我々のような「先生商売」は患者さんやコメディカルの方に「解りません」「知りません」を言う事,とっても勇気がいるんです.場合によっては「解りません」「知りません」を言えない先生もいるかもしれません.今回の場合はどうか解りませんが,もっちさんからズバッと言ってしまっていいんではないでしょうか?
 同業者の方々には編曲した私見をお詫びします.

[No.345] 照川さん 台風21号を無事乗り越える!の巻 From:PDN 2002/10/09(wed) 18:28:36

日々の出来事をメールで送ってくださる照川さんより、先日の台風21号通過時の様子が送られてきましたので、ご紹介します。かなりドキドキさせられました。

台風21号のお見舞い並びにご心配,ありがとうございました。最大の台風もお陰様で無事でしたが、ちょっアクシデントと言うか考えさせられる事案がありました。

10/1は親戚の結婚式が東京都内であるので女房は朝7時過ぎには出かけました.私の介護は、鴨川市に住む次男が来てくれたので安心していました。それにヘルパー訪問も受けていたので尚更です.
午後から事業所の主任ヘルパーさんが、1級ヘルパー受講者を同行指導を兼ねて訪問して来ました。話を聞いて見ると,受講者は呼吸器をつけた患者は初めてとのことでしたので「呼吸器をつけた私の体に触れるのも怖いに違いない」と思い,私の希望でアンビューと文字盤の訓錬を始めにしてもらいました。
受講者は、始めは怖怖(こわごわ)のアンビュー操作でしたが,次第に慣れて来たのと真剣さで私の体に触れる怖さはなくなったようです。そこで、私はお節介にも「アンビューを持ったら2時間は押し続ける気持ちで」と文字盤で言ったら、驚いた様子でしたが「だから、楽なように椅子にかけて」と性根を据えて、またやってもらいました。
私は、若いころ何度も救急法の講習を受けて「医師に引き継ぐまでは諦めるな」と教わっていたので,伝えておくのと,たかがアンビューですが私が体を張ると実施するヘルパーさんとの距離が近くなるのです。

このようなことをしていたら、次男が「台風の速度が60キロになった」と興奮気味で言うので、急いでテレビをつけたら静岡県にかなり接近しており,予想進路と通過時間をやっていたので,推定すると今夜半千葉県の内陸部を通過すると思われました。
雨も風も強くなってきたので、私の部屋だけはめ込み式雨戸のために次男に閉めてもらおうとしたら、「閉めるのにコツがあるようなので、下手に締められない」と言うし(後で閉めた)、停電になったらと思い携帯ブザーのテストをしてもらえばブザーが鳴らないし、呼吸器を予備バッテリーに接続は出来ないのでお手上げ状態です。後は,7:30〜8:00ころ帰宅が予想される女房を待つのみ。
5時を過ぎてからは,次第に雨と風が強くなり始めて女房が途中で足止めされることを恐れたが、きっと帰ってくることを信じて時計と睨めっこが続く。 玄関から「ただいま」の元気な声が聞こえた。このような状況でよく帰って来られたと女房の無事にほっとすると共に停電になっても大丈夫と言う安心感が湧く。

1時間後の8時から停電が断続的に始まったら、いつのまにか電気がつかなくなった。隣室の茶の間の予備電灯を頼りに、ろうそくを用意して、AC電源も使用できるアウトドア用のバッテリーでベットを寝る状態にしてから、そのバッテリーは私のブザーの電源にした.
吸引器は、使用できないので,携帯式吸引器を用意した。
呼吸器は、以前に東京電力の人が言った「停電は2時間までに復旧させるようにしている」に基づいて,文字盤で「2時間したら外部バッテリーに接続して」と頼みました。
内部バッテリーは、2時間は持つと言うが実際は3−4時間は持つので余裕をもって内部バッテリーにつないでもらうつもりでした。すると,概ね時間になって外部バッテリーに接続しようとした女房が「あれっ,接続する場所がない」と言って、急いで懐中電気を照らして説明書を見たが分からないようだった 。

因みに,この呼吸器は、前日の9/30に変えたばかりで、訪問看護婦さんと女房が説明書を見ながら取扱い方法を確認していたが,予備バッテリーの接続方法までは手が回らなかったようだ。
2ヶ月位前から訪問看護婦さんから「今の呼吸器は2年後に製造禁止になるので,病院の勧めるのをテストしてみませんか」と話があってテストを始めたばかりだったのです。

女房は,判らないことにいつまでも関わっても仕方がないとばかりに、古いのと同機種のを持ち出してきて外部バッテリーに接続して使用したので「これで20時間は大丈夫」と安心しました。

私のところの停電が8時間を超す、呼吸器をつけて初めての長さでありましたが、ヘルパーさんたちに聞いたら,停電が同じ勝浦市内で1時間のところもあれば20時間のところもあって驚きました。

私って運が良いのだなあ、無事でいられて。
10/7照川貞喜


[No.345のレス] (^O^)Re:照川さん 台風21号を無事乗り越える!の巻(^O^) From:平成の一休さん 2002/10/09(wed) 20:01:16 [MAIL]

”照川さんへ”「凄い・すごい・スゴイ」の一言に尽きます。運がが良いということは「普段からの管理が行き届いて」いる証からだと念います。今回の台風は速度が速く気象庁も予測には迅速でした。と言うのも気象庁の予報にも限界があるからです。後は国民の皆さん1人1人がどう対処するかにかかっています。呼吸器とバッテリ考えただけでもゾーットします。本当にご無事で良かった本当に良かったですね。
ハンディーを乗り越えて無事だっだと言う報告に拍手拍手。
(●⌒∇⌒●) (^_^)ニコニコ (^_-)正念相続/合掌三拝

[No.345のレス] Re:照川さん 台風21号を無事乗り越える!の巻 From:おサル先生 2002/10/09(wed) 22:51:46 [MAIL]

“照川さんへ” 手に汗にぎる実話の「重さ」に心を動かされています。いろいろな事を考えさせられました。「機種を変えたので、予備バッテリーが合わない」等々、わたしども医療者もいろいろな事態を想定してスキルアップしていかなければ、と思いました。貴重なご経験をご披露いただき、ありがとうございました。

[No.340] 水分の混和について From:まゆ 2002/10/05(sat) 03:51:03 [MAIL]

 介護系病棟に勤める看護師です。PDNの勉強会の資料を集める為、こちらに立ち寄らせていただきました。
大変勉強になり、一気にこの談話室全部読みました。貴重なご意見、ありがとうございました。
 当院では、マンパワー不足のため、はじめから栄養剤の中に水分を混ぜて投与しています。しかし「276」のオサル先生より
薄めない方が良いとのご指摘がありました。今ひとつ、不利点が理解できません。もう一度、お教えできますでしょうか?
また、理解した時点で、改善する方向で進めたいと思います。そもそも以前は、栄養剤の投与後の水分補給だったのに、「はじめに入れるのも後から入れるのも一緒でしょう」という上司の言葉を、私の不勉強により承知してしまいました。その上司を説き伏せる為のよき文献がありましたら、追加してお教えください。

[No.340のレス] Re:水分の混和について From:おサル先生 2002/10/06(sun) 12:52:26 [MAIL]

「まゆ」さん、はじめまして。おサル先生と申します。栄養剤は薄めない方が良い、の理由をご説明させていただきます。
 「栄養剤を薄めて投与」はあくまでも長期の絶食後、栄養剤の「慣らし運転」をするごくしばらく、導入時の1週間ほどだけです。日本で最初のPEGの教科書、「経皮内視鏡的胃瘻造設術と在宅管理」(メディカル・コア発刊、今は絶版)や在宅医療誌のリレー連載「PEGを通してみえてくるもの」などで、長期の中心静脈栄養管理が行なわれ絶食となっていた患者さんにPEGを導入することを念頭に置いて「低濃度で開始!」を言い過ぎたことを今となっては反省しています。
 いろいろな在宅例や施設から下痢の相談を受けるのですが、むしろ「水分過量」になっているのではないか、という印象を持ち始めたのです。
 栄養剤を薄めると、粘度が低下し、胃食道逆流を起こしやすくなります。このホームページで名古屋の蟹江先生が紹介されているように、栄養剤をむしろ粘度増強したり、固形化するとさまざまなメリットがあることは既にお読みになっていると思います。栄養剤を薄めることはこの「逆」をやっていることになります。
 栄養剤を薄めると、同じ栄養を注入するのにその体積が増えることになります。シャバシャバの栄養剤で胃が一杯になったら、ご自分の胃内容で「溺れてしまう」…感覚的な表現をするとそういうことになります。
 ちなみに、米国ではたとえば1kcal/mlのエンシュア・リキッドよりも1.5kcal/mlのエンシュアHを使用する傾向にあるそうです。これも同じ理由によります。高濃度で量をなるべくコンパクトにすれば、投与時間を短くできるし、誤嚥のリスクを減らせるわけです。
 もちろん、白湯はその後、別途投与します。「どうせ胃に入るのなら同じじゃないか」と思われるかもしれません。
 それは間違いです。
 栄養剤はそれを単独で注入している間にどんどん胃から十二指腸に排出されています。T1/2で計算すると若い人で胃排出時間は40〜80分、高齢者で60〜100分くらいだったと思います。ですから、栄養剤が注入し終わって、さあ白湯を別途投与しよう、という時にはすでに栄養剤はある程度、十二指腸に排出されているはずです。つまり胃は満杯ではないはずです。その間にある程度消化されているのです。この段階では白湯を入れる余裕はあるわけです。このことは、白湯で薄めて注入するのとはまったく異なりますよね。
 文献といえるほどのものか心もとないのですが、栄養剤を薄めることの誤解について、月刊ナーシング8月号「PEGのすべてQ&A−患者・家族の疑問と悩みに答えます」37〜38ページに書かせていただきました。ご参考になれば幸いです。

[No.340のレス] Re:水分の混和について From:はな 2002/10/07(mon) 01:09:15 [MAIL]

こんばんわ!はじめまして栄養士のはなです。いつも悩める私です。どうぞよろしく。
栄養剤を薄めて使うのは下痢を誘発しないためと習いました。濃い栄養剤は浸透圧が高いため下痢をしやすいということで時間をゆっくりにするか、濃度を薄めるかどちらかで下痢の因子をへらそうということです。水分補給のために栄養剤に水を混ぜるというのはあまり伺ったことはありません。薄めて使用は最初だけで、なれてきたら濃度は1.0kcal/ml〜1.5kcal/mlです。一回の投与量が多くなると下痢することはよくあるように思いますから、そのかたの水分量を設定して、栄養剤の水分を計算して、不足分は別途摂取していただく、あとは便や検査値をみながら対応することが多いですね。ケースによりけりなので問題がありそうな場合は必ず主治医に薄めている理由をきいて相談しながら決めていくようにしています。水分の管理は難しいですよね。
あ、私は慣らしのための0.5kcal/mlの栄養剤があるといいなと思ってます。そしたら薄める手間もはぶけるし、衛生的だし、需要ありそうな気が・・・・。でも、在宅で大丈夫なほど元気な方にはゆっくり摂取していただければいいことかな。

[No.340のレス] Re:水分の混和について From:まゆ 2002/10/08(tue) 11:10:11 [MAIL]

お忙しいのに、解り易いご説明をありがとうございました。栄養剤の粘度増強の理念から考えると良く理解できました。
当院では、薄めるという考えではなく(結果的には薄めている事になっているのですが・・・)その方の一日の水分量を設定後、必要なカロリーの栄養剤に残りの水分量を追加すると言う考えです。安定期で社会的入院がメインの患者様がほとんどなので、月一回では有りますが検査データーはもちろんのこと、発汗・排痰・尿量なども換算し、一日の水分量を設定します。栄養科にて作成し各食事時間に、あげてもらっています。次の時間の水分を減らしたいなどの要望は、すぐに順応しています。3回の栄養剤注入以外に水分だけを注入する時間があればよいのですが、その方のオムツ交換・リハビリやレクレーションの時間、合わせて一日2回を経口の患者様の水分補給など、介護系ならではの仕事ででいっぱいです。(平均年齢85歳、平均介護度4.5の当院。手が足りないのに人員を削減していく厚生省のやり方は、ひどい!余談ではありますが・・・・)でも、以前は行なえていたのですから、もう少し勉強してもう一度、会議にかけてみたいと思います。なにせ、今、育児休暇中で、意見を通しにくいのであります。月刊ナーシングのバックナンバーは、取り寄せているところです。胃ろう手帳も購入してみます。
寝たきりで経管栄養者が(マーゲンチューブ者も含め)半数近くもいるんです。半端な知識だけでなくもっともっと勉強していきたいと思います。また、物言えぬ患者様の気持ち、ご家族の気持ちをこの場をお借りして考えていきたいと思います。
また、迷ったら、カキコさせていただきます。今回は有難うございました。

[No.338] タイトルなし From:はな 2002/10/04(fri) 23:30:23 [MAIL]

こんばんわ。以前no.310で相談した患者さんが下痢が納まってきれーな軟便となって仙骨の発赤もきえて退院されました!よかった、と思っていたのですが、退院まじかの血液検査ではBUN,Cr等が少し上がり気味でした。量が多く、速度が速くて下痢してたと思ってましたから全体量を1500に落としたのですが、水分量としては少なすぎたのかもしれないと今ごろ悩んでいます。水分をふやすと量がふえちゃうし・・
教科書的には40〜60ml/hからupできたら400ml/hなどといろいろかいてあります。今回のことがきっかけで投与速度は量がアップするほどに早くおとしてしまっているのが現状であるということがわかってきました。経鼻も同様のようでした。ご家庭とは異なり病院では少し管理上の問題も含ように感じますが、実際には速度はどのように指示されているか教えていただければと思います。

[No.338のレス] Re:タイトルなし From:おサル先生 2002/10/06(sun) 13:09:25 [MAIL]

「はな」さん、こんにちわ。おサル先生です。軟便になって良かったですね。ただ、少し脱水気味とのことですね。
 ご参考になるか分かりませんが、胃食道逆流の高度な患者さんの水分投与を、トロメリンHiで粘度増強してやってもらっている方がいます。茶碗に白湯と適量のトロメリンHiを混ぜてしばらく置くと粘度増強します。それを50mlのカテーテルチップ・シリンジのピストンを抜いて、お尻から流し込みます。そしてそれをPEGカテーテルからボーラス(手押し)で注入します。2本まとめて注入するので、100mlがものの数分で投与可能です。
 イルリガートルから滴下していた時は時間をかけても痰の量は多かったのですが、この方法を採ってからは痰がすごく減りました(気管切開している方なので、痰の量が把握できるのです)。
 ご質問の内容とずれているかもしれませんが、何かの参考にしてください。

[No.338のレス] Re:タイトルなし From:太朗 2002/10/06(sun) 16:26:02 [MAIL] [HOME]

 はなさんこんにちは 太朗といいます
 経腸栄養剤の投与速度って決まっていないじゃ無かったでしたっけ? 経腸栄養剤メーカーは時間当たり100mlだの150mlだのと指導していますが,各社に問い合わせてもあの数字って全く裏付けのないものだそうです.急速滴下して事故が起こった際に,メーカーに責任が出ないための,単なる防御策のようです.
 液体経腸栄養剤の滴下速度については一時かなり興味を持ち,文献を物色したことがありました.その結果,商用誌レベルの本では滴下速度の指定(1時間で◯◯mlで滴下しなさい等)がありますが,学会誌や英文教科書のレベルになると,滴下速度の記入が無いようです.結局液体経腸栄養剤の滴下速度に関しては,「エビデンスが無い」か「共通した滴下速度の決定が出来ない」かのどちらではないかと思います.自分としては後者つまり「共通した滴下速度の決定が出来ない」のではないか思います.
 結論でいえば,患者さん本人が耐えられる範囲でもっとも速い速度での滴下が良いと思います.その速度には個人差があり,杓子定規のように例えば「1時間で滴下しましょう」とか色々決める事には問題を感じます.

[No.338のレス] こんばんわー! From:はな 2002/10/07(mon) 00:24:06 [MAIL]

おサル先生、太郎先生、レスありがとうございます。
おサル先生、お尻からと胃からダブルで水分を摂取していただくわけですね。お尻からって・・・・と思ったりしましたが、今度そのような患者様がいらしたら、主治医と相談してみます。
太郎先生、とても参考になりました。そうですよね。食べる速度に個人差があるように患者様によって個人差があるのはあたりまえですね。早くても問題ない人もいるわけで、それぞれに対応すべきでした。どうもマニュアルっ子になっていけません。最近ここで質問したらいいかな、なんて思いがちでしたが、やはり自分でもいろいろ調べて吟味してから質問しなくっちゃ。
先生方ありがとうございました。

[No.338のレス] Re:タイトルなし From:おサル先生 2002/10/07(mon) 08:51:43 [MAIL]

はなさん、すみません!おサル先生です。「お尻から」というのは、患者さまのお尻ではなくて、「注射器のお尻」のことです。
一般の方が読まれる掲示板なのでわざわざ分かりやすく書いたつもりがアダになってしまいました。申し訳ありませんでした。

[No.338のレス] 勘違いでスミマセン From:はな 2002/10/07(mon) 23:57:42 [MAIL]

赤面しました。すみません。
今日は在宅栄養の勉強会に参加してきました。在宅医療の現場が含むいろいろな問題を教えていただき、病診連携がスムースにいくためにますます情報を共有化していくことの大切さを感じました。先生方ありがとうございました。

[No.339] さらに続けて・・・ From:はな 2002/10/04(fri) 23:39:16 [MAIL]

まとめカキコですみません。
視覚、嗅覚、味覚などから胃や腸は食べ物がはいる準備をするということを教えていただきました。ということは意識レベルの低い患者様に栄養剤の投与をすることは、例えば私が寝ている時に胃に液体が流し込まれるのと一緒なんですよね。焼き鳥や蒲焼の匂いを流した後に栄養剤を取ってもらったら生体反応で胃腸が準備してくれるから少しはいいのかなあなどと思ったりして・・・・・・どうかなあ。悩み深き、しかし想像ふくらむ秋の夜長でした!

[No.339のレス] Re:さらに続けて・・・ From:おサル先生 2002/10/06(sun) 13:25:10 [MAIL]

「はな」さん、おサル先生と申します(実は「はじめまして。」でした)。食欲の秋を彷彿させるカキコですね。(私もまとめカキコで恐縮です)
 在宅の患者さんは、病院や施設に居た時よりも、うちに帰ってくると何となく元気になるように感じるのは、「食事をする」という雰囲気の中で胃瘻栄養を受けていらっしゃるので、消化が進むせいでしょうか(在宅医が欲目で見ているからかもしれませんが)。施設であっても、他の入所者さんが食事をするデイルームに連れてきて胃瘻栄養をすると消化が進むかもしれませんね。
(横のベットの患者さんがオムツを替えていたら、その匂いで消化がストップして吐いちゃうかもしれません)
 そういえばどうして栄養剤って、バニラ風味とかコーヒー風味なんでしょう。「はな」さんご指摘の「焼き鳥」風味とか「蒲焼」風味があるとご飯みたいで食が進むような… (それともいつも「焼き鳥」風味だと嫌気がさしちゃうかも。隣にうどん屋が引っ越してきた家の人が言っていました)

[No.339のレス] Re:さらに続けて・・・ From:太朗 2002/10/06(sun) 16:23:38 [MAIL] [HOME]

はなさん,おサル先生こんにちは
匂いの件,名古屋人でいえば手羽先あたりが効果的かも・・・.でも唾液分泌が増して誤嚥が増えないかナー.
ゴミメールでした.

[No.341] ブラシが欲しい From:新米?看護師 2002/10/05(sat) 16:27:34

はじめまして。新米?看護師です。はじめての書き込みで緊張しています。NO.337のおさる先生のお話しの中に接続チューブの洗浄用ブラシをオーダーメードした家族のエピソードがあえいました。私もかねてより、「ブラシが欲しい」と思っていました。どなたか取り扱っているメーカーをご存知でしたら、教えてくださいませんでしょうか。お願いします。

[No.341のレス] Re:ブラシが欲しい From:おサル先生 2002/10/06(sun) 12:04:01 [MAIL]

「新米?看護師」さん、はじめまして。おサル先生と申します。ご質問のブラシですが、メディコン社が扱っています。ただし、チューブ型用なので、ボタン型の接続チューブには残念ながら短すぎて届きません。以上、ご参考になれば幸いです。

[No.337] PEGケアについて From:ひろぶん@福岡 2002/10/04(fri) 22:12:15 [MAIL]

2度目のレスです。当院での瘻孔からの漏れがあり瘻孔周囲炎がみられている患者さんに保護目的でハイドロコロイドドレッシング剤のデュオアクティブドレッシングを使用しています。このネットワークでは「PEGケア」という商品を聞きますが、その現物はこのネット上で見ることはできないでしょうか?もし利用できそうなら取り寄せるか検討したいのですが、どなたか情報をお持ちの方いませんかよろしくお願いします。

[No.337のレス] Re:PEGケアについて From:もっち 2002/10/05(sat) 11:04:11 [MAIL]

訪問看護師のもっちです。「ペグケアー」を利用している利用者さんを訪問看護しています。アルケア株式会社の製品ですので、問い合わせればサンプルをいただく事ができると思います。(私の所属する訪問看護ステーションでも、サンプルをいただきました)PDN発行の医療者及び医療関係者向け「PEGへのご案内」という冊子に商品広告が載っています。(私もこの冊子で見てサンプルを請求しました)。moemoe先生が開発者と伺いました。くわしくは、moemoe先生お願い致します。

[No.333] タイトルなし From:ume 2002/10/02(wed) 20:55:45 [MAIL]

はじめまして、私は熊本で看護師をしておりますumeと申します。
いつも貴重なご意見を読ませていただき勉強させて頂いてます。
全国規模の学会に参加して知識の向上に努めたいのですが、中々参加できず・・・。こちらに伺うことでかなり勉強になってます。ありがとうございます。

今回は質問があってカキコさせて頂きました。
本当はとても初歩のことかも知れません。本当にお恥ずかしいのですが(〃▽〃)
思いきって聞かせていただきます。宜しくお願いします。


当院はほとんど(全てといって良いほど)扁平バルーン式を使用しております。
@それぞれのカテーテルの種類によって異なるとは存じておりますが、コスト的なもの等色々考慮してうえで最低でもどのくらいでの交換が望ましいのでしょうか。A当院の患者さんはほとんど不良肉芽を形成してしまいます。酷い人は全周性にかなり大きな肉芽になってしまっています。一応カットしたりしていますが(硝酸銀での焼却は当院はしておりません…コストの為か分かりませんが(^_^;))どのようにしたら不良肉芽の形成を防ぐことが出来ますか?またそのままにしていてもいいのでしょうか?

乱文で分かりにくく、また不躾な質問で申し訳ありませんが宜しくご教授ください。m(_ _)m

[No.333のレス] Re:タイトルなし From:太朗 2002/10/03(thu) 00:56:54 [MAIL] [HOME]

Umeさんこんにちは 太朗といいます.

@それぞれのカテーテルの種類によって異なるとは存じておりますが、コスト的なもの等色々考慮してうえで最低でもどのくらいでの交換が望ましいのでしょうか。
 ↓
ボクの場合,チューブが臭くなったりボロボロになったら交換としています.時期を決めて定期的に交換,といった方法はとっていません.酢酸注入の方法が普及してから,半年以上清潔に使用できています.PEGチューブは腹が立つほど高価なので,清潔に使用できるのならば,可能な限り交換間隔はのばした方が良いというのがボクの考えです.
この質問は[No.305]にも類似の回答があります.

A当院の患者さんはほとんど不良肉芽を形成してしまいます。酷い人は全周性にかなり大きな肉芽になってしまっています。一応カットしたりしていますが(硝酸銀での焼却は当院はしておりません…コストの為か分かりませんが(^_^;))どのようにしたら不良肉芽の形成を防ぐことが出来ますか?またそのままにしていてもいいのでしょうか?
 ↓
不良肉芽は[No.283]に御高名な先生方の意見が出ており,バンパーの締め付けによる接触抵抗に起因するという機序が考えられているようです.放置しても命に別状はありませんが,着衣は汚れます.もしかしたら疼痛もあるのかも・・・.予防となるかどうかはわかりませんが,「フジシステムズ」という会社から出ている「ファイコンPEG交換用バルーンチューブ」というものがあり,このチューブ型以外固定板がPEG挿入部に接触しない構造になっていますので御紹介します.このチューブのデザイナーはボクですが,ライセンス料も相談料も一切もらっていないので,営利目的ではありませんのからご安心を.

同じ質問は何回出ても良いと思います.今後もお気軽に書き込みして下さい.ボクもします.

[No.334] チューブ型PEG汚れについて From:ヤギ 2002/10/02(wed) 21:52:08 [MAIL]

はじめまして。看護師のヤギと申します。ボタン式では気にならなかった汚れ、チューブ式では明らかに汚れが目立ちます。そこで、大滝病院ではすでに実施報告されています、酢酸水による管理方法を当院でも実施してみました。あら、不思議。結果に感激しているしだいです。ところで、酢に着眼した点やどんな酢でも良いのか又酢以外にも実施されている等ありましたら教えてください。

[No.334のレス] Re:チューブ型PEG汚れについて From:太朗 2002/10/02(wed) 22:13:54 [MAIL] [HOME]

ヤギさんこんばんは. 太朗といいます.
ボクはインターネット書き込み初心者で,ハンドルネームにも慣れておらず,ヤギさんを含め皆さんのお名前をユニークで楽しませていただいています.(最近の金魚さんとういう名前にもビックリ,良ければ名前の語源を教えて下さい.) 
ところで酢酸水の件ですが,最近は「飲む黒酢?」だったか商品名は忘れましたが,1パック130円程度の飲用の酢を試しています.試しているというか,家族の方が御自分の判断で試されてみえます.理由は10倍希釈酢酸水が(当然ですが)酸っぱい臭いが部屋に充満するからです.1パック130円の黒酢は経済的負担はないですかとの問いに,御家族は飲んでも体に良いものだそうだから栄養補助食品として使っているとの御返答でした.今のところは効果は出ているようです.
 ゴミメールでした.

[No.332] 貴重なご意見有り難うございます。 From:白浜雅司 2002/10/01(tue) 09:59:55 [MAIL] [HOME]

PEGの経験豊富な、現場の先生方のコメント本当に有り難うございます。医療界にやっと認知されつつあるPEGの推進に横やりをいれようで申し訳なかったのですが、あまりに一般の医者がPEGに対して過度の幻想を抱いているようで、あえて問題提起させていただきました。誠実に回答いただいたことに感謝します。
ただある程度のそのケースでPEGをした場合の予後の見通しの上に立って、PEGを勧めるかどうかを判断し、そのことを患者(家族)の意見も聞きながら決めていくことが、医師の仕事で、そのための事例やデータの蓄積は今後もお願いしたいです。全く中立の立場で、PEGはしてもしなくてもいいですよ、後は家族でお決め下さいといって家族に委ねられても、家族は困りますし、結局治療がうまくいかなければ、家族の方が同意されたでしょうといくらいっても、PEGのことを最初に持ち出した医師に不満をもたれることは避けられないことだと思います。
確かにPEGをするしないというよりも、まず、食べられなくなったということは、患者さんが、終末期に近づいたという認識をして、その状態の中でどのように周りの人間が対応することが患者にとってよいかを話し合うことが何より大切な気がします。
moemoeさんが述べられた「PEGを選択される方もされない方もいます.そのどちらであっても、選択した人生の方法をできる限り支えるという立場にたち、決して、決定そのものを代行してはいけないと思っています.本人の意思が確認できない時に家族が代行することの是非はあると思いますが、現状では家族以外が代行することは困難だと思います.どの選択を選ばれた方であっても、いい人生を全うされたと最後に思ってもらえるように関わりたいです.」という関わりをさせていただきたいと私も思います。
他のメーリングリストでもこの問題を投げかけ、その事例と私の疑問点、今のところ集まっているコメントを私の臨床倫理の討論のページに載せました。またそこからこのホームページにもリンクさせていただきました。
http://square.umin.ac.jp/masashi/discussion.html
の2002年ケース1)というのに載せています。
よかったらご覧ください。

[No.315] PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:白浜雅司 2002/09/11(wed) 18:25:32 [MAIL] [HOME]

PEGの普及についての活動ご苦労様です。

私は佐賀県の三瀬村という小さな村で診療所の医師として働きながら、佐賀医大で医療倫理やコミュニケーションの教育にあたるという立場の医師です。
PEGについては、村で脳梗塞後の嚥下障害はあって誤嚥性肺炎を何度か起こしている方に、入れてもらって、元気にされている方がおられますし、いい方法ができたなと喜ぶ一方、自分の恩師が、パーキンソン病で嚥下ができなくなって、肺炎を起こして入院し、PEGを入れたのですが、もともとC型肝炎があったためか、術後の傷の治りが悪く、腹膜炎、DICとなって、その時は一応一命は取り留めましたが、その後話すこともなく、1ヶ月ほどの闘病でさびしくなくなられた経験があります。

今日は、本当に終末期の方にPEGがあるのかという質問があってメールしました。そちらのHPでも「PEGをしてまで」「PEGくらいは」というページが建設中と知り、ぜひそのあたりのことについての日本のデータを知りたいと願っています。

末期の痴呆の患者や座位の取れない患者では、欧米には、PEGをしたからといって鼻からの経管栄養と比べて誤嚥性肺炎のリスクや生命予後はかわらなりという論文もいくつかあるようです。

先週末に在宅ホスピス研究会で、86歳のアルツハイマーが進んで寝たきりとなった患者さんのPEGについての模擬倫理委員会という企画がありました。医師や看護婦役の方が、PEGをすれば嚥下性肺炎もなくなり、介護も簡単ですみたいないいことばっかりいわれて、私はフロアーからPEGをすればすべてが解決するようなインフォームドコセントはおかしいと意義をとなえました。食事は誤
嚥のひとつの要因ですが、唾液つばなど、食事以外の誤嚥性肺炎の問題は解決されません。PEGで胃をひきあげる分逆流のリスクは増える可能性もあるでしょう。

痴呆はもちろん程度があり、食後しばらく座位の保持ができるような人はいいでしょうが。末期で意識もないような痴呆の方へのPEG造設はよく考えて対応したほうがいいように思います。

私の村の患者さんのPEGをお願いの電話をしたときに、担当の消化器の先生が「歩いたり、座位を取れる人ならやるけど」と言われたことは、非常に現実的な対応だったと思います。

痴呆や老衰で嚥下だけでなく、全身的な食べる力が下がった場合、特に本人の意思の確認ができない状況で、どんどん医療者から家族にPEGをするといいですよと勧めるのが本当にいいのか疑問を感じるのです。また患者のためにと言いながら、それが看護や介護の負担を減らすだけになっていることはないでしょうか。
先日のホスピス研究会の討論でも、PEGを入れたとたんにそれまで必死で食べさせようとしていた熱意が冷めて、人が離れていくということをある介護士の方が述べておられて考えさせられました。

私は尿路系の腫瘍の患者さんで、もう積極的治療法がない、余命3ヶ月ということで家に帰ってきた患者さんが、本当に毎日200−500ccの水分だけをとって6ヶ月くらい家で過ごしたことを経験しました。どんどんやせて60kgの体が25kgになりましたが、往診にいく度にだるいけど、点滴はしないでくれと言われ、モルヒネも使わず、時々座薬を使うだけで苦痛も少なかったです。このような末期の輸液の制限が患者さんのQOLを維持するのに効果的であることはLancet、NEJMなどで報告され、日本のターミナルケアの現場でも普及しているようです。

餓死させるのかという意見もありますが、食べなくなってやせていくということも、人間に与えられた最後を苦痛なくすごせる方法のひとつのように思います。

PEGの恩恵を受けているたくさんの患者さんがおられることは事実ですが、特にがんや痴呆の終末期のPEGの対応は本当に適応と考えていいのか、どのような場合には差し控えたがいいのか。(私は2−3ヶ月PEGをやってみて、全身状態が改善しない場合、やめるという選択があってもいいと思いますが)ぜひ多くのそういう事例を経験されている先生方に実情を教えていただきたいのです。よろしくおねがいします。またある程度まとまったこれまでの経鼻栄養との比較のデータなどがあったら教えていただきたいのですが。

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:太朗 2002/09/11(wed) 23:22:15 [MAIL] [HOME]

白浜先生こんばんは 太朗といいます.
私も経鼻胃管で安定期にあった症例を,胃瘻に変更した後に状態を悪くして残念な思いをしたことが何度もあります.自分が胃瘻をやり始めた頃はPEGの情報は希薄で,出てくる文献はPEGの利点が記述されたものがほとんどでした.(利点を述べないと普及しないので当然といえば当然.)自分は老年科医でそのころは老人病院で勤務していたことから,そんないい方法がならばやってみようとセッセと始めました.しかし始めてみるとPEGは良いところもあれば悪いところもあり,経鼻胃管で安定している方をPEGに変更してその悪い部分が出てしまうと結果的に大変後悔してしまうことになります.そのためかボクの論文はPEGの悪口(合併症)ばかりです.
ですので経鼻胃管で安定をしている症例に対しては,ボクはPEGを積極的には勧めていません.勧めませんが提案はします.利点と欠点を説明した上で本人又は代理人であるご家族が,希望する場合は手術を行います.ただそれだけです.終末期医療におけるPEGはよりよい終末期を送るための方法の一手段であり,全肯定も全否定もないように思います.ましてや経鼻胃管をPEGにしても生命予後は変わらない,よってPEGは意味がないとのあの欧文論文には本当にビックリしました.
 経鼻胃管の比較データに関しては,尊敬する小川先生の論文を御紹介させていただきます.
小川滋彦、小市勝之、中野由美子、池田直樹、若林時夫、川上和之、川浦幸光。経皮内視鏡的胃瘻造設術の胃食道逆流における有用性・経鼻胃管との比較検討・Gastoeterol Endosc 1995;37:727-732

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:太朗 2002/09/11(wed) 23:52:42 [MAIL] [HOME]

白浜先生スミマセン 自己紹介が抜けていました.
私は名古屋で開業医をやっています.専門は老年科です.PEGとは10年来のおつきあいです.現在PEGは他施設から依頼を受けたときにノコノコ出かけてやっています.

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:みっくん 2002/09/12(thu) 07:59:32 [MAIL]

 白浜先生、こんにちは.書き込みありがとうございます.
私は中規模病院で消化器内科(一般内科も)をやっています.みっくんといいます.よろしくお願いします.先生の御指摘は大変重要で、これからどんどん声を大きくして議論しなければならない問題がたくさんあると思います.
 インフォームドコンセント、尊厳死との関係、経鼻胃管との比較検討、経管栄養中止の決定などなど、是非私も議論に参加したいと思っていますが、残念ながら数日間多忙でこの問題について十分に意見をまとめる時間がありません.一週間程の間にもう一度意見を書き込みたいと思います.
 私の場合のキーワードは、「栄養補助療法をするかしないかの選択を一番はじめに十分話し合う」「利点も欠点も伝える」「医学的に明らかに意味のないことは拒否する」「ご本人とご家族の決定を尊重し、最後まで支える」.「時に十分な知識なしに決定することがあるので、十分な情報を提供する」といったところでしょうか.詳細はもうしばらくお待ち下さい.

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:おサル先生 2002/09/12(thu) 08:43:35 [MAIL]

白浜先生、はじめまして。おサル先生と申します。たいへん重要で価値ある問題をご提議いただき、誠にありがとうございます。栄養療法のアクセス・ルートというPEGが、患者さまにとって「正しく」使われるために、いろいろな視点からディスカッションされるべきだと私も常々考えております。
 実は、あさって鎌倉で全国規模のPEGの研究会、第7回HEQ研究会が開催されます。あすはその世話人幹事会もあり、この掲示板の常連の方々も多くがその準備に追われているはずです。おそらくレスは来週以降にたくさん出て参ると思いますので、どうかしばらくお待ちいただければ幸いです。

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:moemoe 2002/09/13(fri) 02:49:57

● これからの課題
 PEGの医療経済効果に関しては,欧米の文献同様日本でも効果が期待されます.しかし,その患者にとって本当によかったか否かについては,疑問がのこるのが現実です.私は,食道外科医ですが,この問題はPEGに係わらず,外科領域にも同様の疑問があります.このテーマはおそらく医学の永遠の問題だと思います.このテーマに対して,おそらく今年の10月ごろ,医学書院からpalliationに関する本が出版されます.私は,編者ですが,各領域のスペシャリストの話には感動を覚えます.どうぞ,一度読まれて感想をお書き下さい.

● 私が強調したいこと
 私が強調したいのは,癌の末期であれ,人間の末期であれ,その対応にはオーダーメイドでなければならないということです.PEGは確かに全く患者の幸福に寄与しないこともあります.でも,驚くほど患者に貢献することもあります.ですから,末期の患者にPEGがよいかではなく,その患者にとってよいかどうかの検討が必要です.ちなみにわたしどもの施設では,500例を超える癌末期患者のPEGを行ってきました.結果は今,述べてきたとおりです.

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:白浜雅司 2002/09/13(fri) 12:09:00 [MAIL] [HOME]

 お忙しい中さっそくいくつかのコメントを下さり、ありがとうございます。私も、先生方の、全肯定も全否定もない、利点も欠点も伝えるという姿勢が大切だと思います。ただ、利点欠点を述べたあとは患者さんのご家族の希望にまかせるというだけでは、先生方のような専門家のこれまでの経験の積み重ねが生かされないのではと思います。
 最近日本でも痴呆患者の経管栄養のについてEBMの手法を使った論文が出ていることを知りました。医学書院のJIMという雑誌2002年3月号230-233で、京都大学総合診療部(たぶん日本でEBMのメッカといえるところだと思いますが)の大西基喜先生が書かれた「痴呆患者の経管栄養についての臨床的意義」という論文を書かれています。結果としては、文献検索で検討できるような質の高い研究が少ないのだが、少なくとも1)誤嚥性肺炎の発生頻度を少なくするか、2)延命率を上げるかという問いに対しては明らかなエビデンスはないという結論です。その他の指標として「ケア提供者の負担を下げる」という項目だけがエビデンスがあったようです。
 確かにこのような肺炎を起こすかとか、生存率とか無味乾燥な客観的な量的なデータには現れない家族の思い等さまざまな質的データの検討が必要だと思います。そういう意味で、現場でたくさんこのような事例を経験されている先生方に、どのような条件がそろった場合は、末期の患者さんにPEGが患者に貢献しそうだということを、ご提示いただけると、私たち一般医がある程度責任をもって、患者さんや家族にPEGという方法があるのですが、(利点も欠点もあるのですが)一度専門の先生に相談してみましょと勧められると思うのです。
 難しい質問かもしれませんがよろしくお願いします。
 それとこれまでいただいたご意見を、私の臨床倫理の討論というHP(http://square.umin.ac.jp/masashi/discussion.html)
に転載させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

[No.315のレス] (^○^)Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など)(^○^) From:平成の一休さん 2002/09/13(fri) 14:01:50 [MAIL]

”白浜先生へ”毎日お疲れさまです。はじめまして、平成の一休さんと申します。佐賀県三瀬村でご診療なさっているのですか?私は生まれ故郷が福岡で【水郷:柳川という美しい町】で、少年期を過ごしました。まだ、私が5歳の時【佐賀医大】へ父親と【胃がんの治療】で何十回も病院へ付き添いでついて行った記憶が鮮明に残っております。いつも父は佐賀の病院へ行こうとはいいませんでした。病院へ行くときはいつも、汽車に乗せて上がるから佐賀へ行こう?誘ってくれました。当時5歳の幼稚園児だった私はそれはもう嬉しくて嬉しくて飛び上がって父に手を引かれて通ったものです。その父も50数年前【私を抱いたまま朝冷たくなっていました】夜中に【胃がん】で死んでいたんです。いつも早起きの父が起きないので【とうちゃん・とうちゃん】と最後には【涙をポロポロ泣きじゃくり】ながら父の身体を揺り動かしましたが、結局、そのまま帰らぬ人となりました。異常に気付いた母親は1月の早朝、外は5cmの雪が道に積もっておりました。その【雪の中を素足で近くの親戚中に夢中】で連絡にかけづり回っていました。あの光景も今も目に焼き付いております。その母親も5年後に食道癌、3男は肝臓癌、2男はテニアン島上空で日本が誇るゼロ式戦闘機:アメリカのグラマン戦闘機と空中戦で撃墜されたという訃報が届く、長男はゼロ式戦闘機の教官として北海道/中標津空港から帰るに帰れず足止め状態されるなどで「母と8歳の姉、5歳の私、2歳の妹」だけがポツンと取り残され「残る道は一家心中」か「生活保護を受けるか」2ツに1の選択の余地しか残されていませんでした。その時の結論はいずれも選択しませんでした。何故だか女性ばかりなのに【ここで死んでたまるか】【生活保護なんでクソくらえ】と意見で一致しました。その時働けたのは、母、姉、私の3人でした。妹を背中に背負い何をアルバイトしたか覚えていない位、いろいろな仕事をさせていただきました。頑張っている私達親子の姿をも見て町中の人達が手を貸してくれたり、慰めてくれたり、励ましてくれたり、困ったことがあれば協力してくれたり、差し入れしてくれたりして、それはもう【頑張れよ・頑張れよ】の大声援を背中に受けて現在の私があります。その時、幼心に念ったことは【町中の人から愛されている】【町中のひとから大事にされている】という強い実感でした。先生のお話を伺っていて気付いたことは、豊かになった現代社会には、どうも当時強かった【人間同士の強い絆】が薄くなってきているような気がしてなりません。終戦後、【国民総貧乏時代】の方が皆さんの心はもっと【豊かで、温く、優しく】かと言って【くよくよしない逞しさ】があったような気がします。振り返ると当時は若くして命を落とす人が圧倒的に多く同じような課題をどの家庭でも抱えていたからこそ出来たのかも知れません。ところが50数年経過した現代社会は逆に【高子高齢化社会】となって当時とは正に逆転現象です。男子も女子も世界一の長寿大国になっています。その結果何が起きたかと言うと【子供の減少】【老人の増加】【患者の増加】【病気の多様化(いたちごっこ)】【医療制度改革の遅れ】【都会に医者が集中し田舎に医者不在状態】【学閥による見解の相違】【政・官・業の癒着】【テクニックに偏った医療者の姿勢】【医者に頼り切った患者の甘え・不勉強】【大病院に患者が集中する異常な状態】【医療機器の発達と医療機器取り扱い技術者の未熟さによるミス】【マニュアル化されてない医療】【置きざり状態の患者さんとその家族】と取り上げれば切りがありません。そこで【医の倫理】について現在、何が問われているのでしょうか?この問題がクローズアップされてきたのは【医療ミスの多発】【カルテの改ざん】【カルテの未開示】【何処まで許される主治医の裁量権】【告知の問題の棚上げ】【医者が支配者で患者が従属者と言う権威主義がはびこる現状】等切りがありません。勿論【患者・家族の姿勢や社会の構造にも原因】であることも確かで有る事も認めますが【医の倫理感については】医療界に突きつけられた課題ではないでしょうか?その為、小泉内閣も【医療改革】も重大な改革の1ツとして取り組んでいらっしゃるではありませんか。但し、誤解して欲しくないのは小泉内閣は医療改革をするに当たり【良いとか・悪いとか】で取り組んでいないという点です。あくまでも【今の医療制度は時代に合わない・このままでは医療制度そのものが破たんする】という危機感から見なおしがなされているのです。痴呆の問題だって50年前誰が世界一の長寿大国になると予想したでしょう。人生50年〜60年が当たり前から一挙に人生75年〜85年と20数年も延びるとは誰も予測できなかったことです。今、痴呆の方にPEGを造設するのが良いのか・悪いのかと言う疑問点を持たれる方も沢山いらっしゃるでしょうが、現在、私達が進めているのはPEGの啓蒙活動です。従ってきちんとした【選択肢】が設けられています。PEGが最善と判断された場合は造設しますし、PEGが逆に悪さをする可能性がある場合は造設しません。私達が残念に念うのは【PEGが万能キットと勘違いあるいは誤解】されている点です。PEGは【栄養補給の為の選択肢の1ツ】であることは確かですが【PEGは万能】等どこにも書いてない筈です。医療行為には、結果が思わしくなければ必ずといっていいほど【こんな筈ではなかった】と犯人探しと言う奇妙な会話が交わされますが、それは【結果論にすぎません】【皆さんがこれで行こうと選択】された訳でしょう。後日必ず、責任の矛先を変えるような議論になりかねないのが常で【ご自分達が選択肢】されたのであれば、それはそれで【素直に受け入れていだきたい】と念います。【moemoe先生の見解には同感】です。私達はPEG造設を決して強制しておりせん。ましてや良いとか悪いとか等毛頭有りません。PEGの現状はただ【現状医療界で認知されはじめた】と言うことではないでしょうか?少し生意気な文章になり【白浜先生には失礼をしたな〜と反省】もいたしております。ごめんなさい。終わりに、私の長男は数年前【腹部大動脈瘤の大手術】をおこない奇跡的に助かりました。彼は4年前【植物状態の妻(義理の姉)】の人口呼吸器を自らの判断で取り外しました。ですから現在は80歳で1人暮らしですが、心配ですから【月/1回:福岡】へ帰って身の回りの世話を致しております。兄は私の方が遥かに大病なのにわざわざ東京から福岡まで世話にやってくる弟の私に何故そこまで無理して世話してくれるのだ?と申し訳なさそうに言います。私の答えはただ1ツです【兄ちゃんが愛しい】からだよ。だから、エネルギーが残っていれば生きれるだけ生きて欲しいと答えるだけなんです。【兄はにっこり満足そうに笑って】うなずきました。恐らく私の励ましがなければ現在の兄の命はないでしょう。それこそ【一期一会】の世界です。合掌三拝。

[No.315のレス] Re:PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From:みっくん 2002/09/30(mon) 07:49:12 [MAIL]

 白浜先生、こんにちは.返信が本当に遅くなってしまいました.申し訳ありません.
先日の新聞でも白浜先生の診療所での取り組みの様子が紹介されていて、興味深く拝見しました.
 私は病院勤務の消化器内科医として、PEGの啓蒙活動を手掛けています.
一方で、往診も大好きですし、終末期医療や緩和医療も興味をもってやっています.
 以前に、医療従事者や、患者家族を対象に、食べられなくなった時にどうしてゆきたいかを、痴呆の有無や、ADLの自立度に応じて、患者の場合、家族の場合、自分の場合と分けて、アンケート調査したことがあります(在宅医療と内視鏡治療vol.3).その要点をまとめると、1)いずれの場合も栄養療法を行う場合の選択肢は胃瘻を選択する率が高かった.2)いずれの場合も看護師は他の職種より胃瘻を選択する率が高かった.3)栄養補助を行わないという選択は、自分自身、家族、患者の順に多かった.4)痴呆がある場合はない場合より、栄養補助を行わないという選択が増えた.5)ADL自立度が低下するにつれて、栄養補助を行わないという選択が増えた.というものでした.
 この結果から、「栄養補助治療を行うのかどうか」という選択に一番時間をかけて十分なインフォームドコンセントを行うべきだと考えました.(本人に判断能力がある場合は本人の意向を一番に尊重、本人が判断できない場合は一番近いご家族に決定してもらいます.)もちろん、「行わない」という選択がなされた場合はそれを尊重し、そのための援助を最後まで行います.
(しかし、この時、いつでも考えを変えられるということにも触れておく必要があるでしょう.)時に、説明すらきこうとせずに妄信的に「胃に孔をあけるのは絶対嫌だ」と言い張る方がおられますが、この場合でも必ず補助栄養についての説明をきいた上で判断していただくようにしています.(行わない場合は、衰弱しいずれ死にいたるという決断をするわけですのでその点をきちんと理解していただきます.)
 補助栄養を行う場合には消化管の機能その他から自ずと最適な方法は決まってきます.可能なら経腸栄養が第一選択です.経腸栄養においては胃瘻と経鼻胃管については利点欠点の話はしますが、ここについては体力的に許す場合は胃瘻をすすめます.(QOL、管理、トラブルなどの点で胃瘻の優位性は明らかだからです.)
 補助栄養を行わない場合に自宅や病院でだらだらと長期に末梢輸液を行うことはほとんどしません.(家族や医療者の満足だけであり、本人にとって実が伴わないと考えるからです.)途方に暮れるご家族の場合には、「点滴」ではなく、できる限りコミュニケーションの時間をとってもらうために、どんなアプローチの方法があるか具体的にアドバイスを心がけます.
 少ない経験ですが、PEGを選択される方もされない方もいます.そのどちらであっても、選択した人生の方法をできる限り支えるという立場にたち、決して、決定そのものを代行してはいけないと思っています.本人の意思が確認できない時に家族が代行することの是非はあると思いますが、現状では家族以外が代行することは困難だと思います.どの選択を選ばれた方であっても、いい人生を全うされたと最後に思ってもらえるように関わりたいです.(ご本人の意向で「意識がなくなったら胃瘻からの栄養剤投与は中止する」というお約束に従ったこともあります.)
 選択の自由はいろいろな選択ができてはじめて成り立ちます.選択肢すらない状況は決して自由ではないはずです(その昔、皆が自宅で自然に亡くなっていったのは決して尊厳死ではなく、それしか方法がなかっただけなのです.).尊厳死も自宅での看取りも、それ以外の選択もできる状況であってこそ自由意思で選べるのだと考えます.誰でも長く生きたいし、長く生きてもらいたい、それは自然な感情で、命そのものに価値を見出すような感情も大切にしていきたいと思います.長くなりました.すみません.

[No.318] 術後の瘻孔感染の防止に関して From:藤田昌明 2002/09/15(sun) 23:11:48 [MAIL]

14日にHEQ研究会に参加しまして非常に有意義な報告、講義を聞き今後の診療にさっそく役立てようと思っているところです。さて当院では、年間20人程度のPEGをおこなっているわけですが、瘻孔感染を起こす割合がいろいろ工夫をしてもまだまだ減少してこない現状があります。さて質問ですが。
1.術後の消毒について。当院では術後1週間までイソジン消毒1回/日をルーチンとし浸出液、膿などある場合は回数、期間を増やすことにしております。研究会の講演ではイソジンによる消毒はむしろ有害、生食や水での洗浄の方が有効という中味であったと思います。術後の瘻孔の「消毒」についてはどのようにするのが最も効果的なのでしょうか?
2.口腔内のイソジンによる清拭について。当院では前日、当日の2回なのですが、テキストによっては1週間はやるべし、とあります。やはり2日間では短すぎるでしょうか?
3.皮膚切開はやはりT時切開がのぞましいか?
その他抗生物質のこととかいろいろありますが、特に上記の3点について御教示お願いします。


[No.318のレス] Re:術後の瘻孔感染の防止に関して From:太朗 2002/09/18(wed) 19:05:34 [MAIL] [HOME]

藤田先生こんばんは またまた太朗です.
HEQ研究会はとても有意義で,ボクは特別講演の統計学の話が非常に興味深く役に立ちました.その統計の話でもありましたが,御質問の3点については完璧な結論は出ていないように思います.そのため役に立たないと思いますが,ボクの今やっている方法だけお伝えします.
1.術後の消毒について
感染がない場合でも2週間行っています.教科書的には1週間と書かれている事が多いかも.ただ創部の消毒という行為自体が創部をよく観察するという事にもなり,今後当面2週間としていこうと思います.消毒に関しては不勉強の自分は今のところイソジンを使用しています.消毒時は体外固定板を緩め,イソジン液がチューブの貫通部分に行き渡るように,チューブを抜き差ししながら消毒をします.ボクは全例経皮胃壁固定を行っていますので,胃壁固定を行っていないときはマネしない方が良いのかも・・・.
2.口腔内のイソジン清拭
 結局,チューブが口腔内を通過するときが重要であると考え,術直前に1回のみ行っています.勿論1回より2回,2回より1週間の方が良いと思いますが,アレって結構患者さんはつらそうなんで,ボクが患者さんだったら1回で勘弁して欲しいところです.皆さん如何でしょうか?
3.皮膚切開はT時切開で
 今のところはI字切開で行っています.Tの方が良いかもしれませんが,不足を感じていない時って,なかなか自分の方法は変えられないんですよね.

なんかボクだけしゃしゃり出てすみません.

[No.318のレス] Re:術後の瘻孔感染の防止に関して From:moemoe 2002/09/19(thu) 02:26:39

● 消毒
 瘻孔が完成するまでの時間は胃瘻の素材がシリコンである場合,約3週間と言われています.ちなみに通常の皮膚や消化管の縫合は,感染がない場合には,術後2日目程度とされています.したがいまして,2日以降の消毒の価値はないとされています.また,3日以降はシャワーもOKとなります.では,瘻孔の消毒は? 私の考え方では,創と同じでよいのではと考えています.ですから,厳格な意味での消毒は2〜3日程度に1回となります.


● 口腔内のイソジンによる清拭について
 太郎先生に賛同いたしまs.


● 皮膚切開
 少なくとも世界的に見たとき,T切開は行われていません.










































[No.318のレス] Re:術後の瘻孔感染の防止に関して From:みっくん 2002/09/30(mon) 07:47:37 [MAIL]

当方で行っている方法もお伝えしますが、エビデンスはありません.経験的な試行錯誤の途中です.もっとよい方法があれば今後もトライしてみるつもりです.
1.術後の消毒について
 1週間は毎日イソジン消毒、1週以後は生食洗浄を中心にしています.2週以降は通常のお湯で清拭です.
2.口腔内のイソジン消毒
 毎日の口腔清拭は胃瘻造設に関係なく行います.
 当日は術中に口腔内を通る胃瘻先端部にイソジンを塗ります.(通過前と口腔通過時と腹壁から引き抜き時の3ケ所でイソジンを用いています.)
3.皮膚切開
 以前はI字で行っていましたが、最近T字に変えました.特に不都合があったわけではありません.
 研修医が行う場合などはI字が小さくて途中で切り足したりすることがあったのですが、T字にしたらなくなりました.また、瘻孔が大きすぎることもなく、きれいに感じています.でも、「何が何でもT字でないとだめ」とういほどの強いポリシーはもってません.

[No.331] ろう孔が塞がりません。どうしたらいいの・・・ From:ベッキイちゃん 2002/09/28(sat) 22:44:50

胃ろうを造設したが使用できなくなり、全身状態も悪く、ろうこうを塞げない状態です。毎日試行錯誤していますが、潰瘍を形成しそれが、どんどん広がる一方です。どうしたらよいでしょうか。

[No.331のレス] Re:ろう孔が塞がりません。どうしたらいいの・・・ From:moemoe 2002/09/29(sun) 21:56:52

● 終末期
 胃瘻が使えなく,胃瘻周囲から消化液が漏出しているのは,おそらく生命の維持が難しくなっている時期なのではないでしょうか.

● 発想の転換
 このような患者さんの多くは,減圧が必要となります.減圧とは消化管液を体外に逃がして嘔吐や嘔気を抑える処置を指します.そこで提案です.胃瘻をむしろ第二の口と考えるのではなく,人工肛門と考えてみたらどうでしょうか.無理に閉鎖しようとせずに減圧のルートと考えたら,患者さんの苦痛緩和につながりm酢.実際,一部の大学病院ではこの方法は一般的な方法として定着しています.


[No.331のレス] Re:ろう孔が塞がりません。どうしたらいいの・・・ From:moemoe 2002/09/29(sun) 22:36:32

● 追加
 瘻孔ケアではなく,ストーマケアが必要です.胃酸が強いので,ストーマケアにはWOCナース(創部やスト−マを専門にした看護師さん)に相談することをお勧めします.

[No.329] チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛いらしい・・ From:ぼろごん 2002/09/27(fri) 23:41:57 [MAIL]

こんにちは、談話室の投稿を興味深く拝見しております。 私の姑は’97年秋、くも膜下出血を発症、一命を取り留めましたがお約束の障害が残り、’00年ごろからリハビリのドクターには胃ろうを勧められていたもののずっと拒絶しつづけ’01年春に重症の嚥下性肺炎で、呼吸器科のドクターに、ひと月持たないでしょうとまで言われました。しかし、奇跡的に持ち直し本人もさすがに懲りたらしく8月に胃ろうを造設し、その後は見違えるように元気になり、体重も増え今に至っております。胃ろうにするるまでの食事は嚥下食を舅がスプーンで食べさせていたのですが(ゆっくりであれば自分で出来たのですが)あまりの強引さに訪問の看護婦さんは「あれは拷問です!」とまで言われておりました。私や主人が言ってもお母さんを元気にさせたいという思い込みで一向にやまず、姑は哀れなくらい食事を辛そうに口に入れられては、むせ返ってと、悪循環の結果の肺炎だったのです。 ですから姑はあんなに嫌がっていた胃ろうにしてから、1日3回の拷問から開放され、精神的にも栄養的にも全てプラスに働き体力もついて、落ち着いた毎日を送っております。正に今生きていられるのは胃ろうのお陰以外の何者でもありません。
しかし、実は造設以来まだ1回もカテーテルの交換をしていまん!!6ヶ月を過ぎたころから、数ヶ月に1度は消化器外科の先生には診ていただいていたのですが、「そんなに劣化していないし、急いで替えると痛いからねぇ・・」 とご親切といえばそうなのですが、さすがに1年超えると心配です。  
 さて、肝心の質問ですが、交換時の痛みを和らげる方法とかはないのでしょうか?姑は68歳ですが、ほかの胃ろうをなさっている方々にとっても相当耐え難い痛みだと思います。
素人考えですけれど、例えばお産の後に傷を縫い合わせるのに注射で部分麻酔をしますよね。(産むのも無痛分娩にすればよかった!) それとか、歯の治療のときも麻酔をしますよね。それと同じように完全に痛みを取り去らなくても、緩和することはできないでしょうか? 忍耐弱い姑なのですぐに泣いてしまい、それを舅が見てかわいそうがってドクターに言い寄ったり、やっぱり胃ろうなんてしなきゃ良かったなどといわれては困ります。  どうぞよろしくお願いいたします。







[No.329のレス] Re:チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛いらしい・・ From:平成の一休さん 2002/09/28(sat) 09:32:04 [MAIL]

”ぼろごん”こんにちは「平成の一休さん」と申します。ご相談の内容からするとどうやらPEGの種類はバンパー型のようですね。「胃ろう」にしろ「腸ろう」にしろ、PEGのバンパー型は造設してから6ケ月〜1年以内位で交換するのが一般的ですし、メーカーさんもそのように薦めていらっしゃるようです。ただし、個人差がありますので8ケ月位の人もいれば11ケ月或いは6ケ月で交換する人もいらっしゃるようですよ。”ぼろごん”さんの、お姑さんの場合は過去の経緯も考慮しとご本人の痛みに対する恐怖感を考えると【全身麻酔】で【PEGを交換】する方法があります。これだとまったく痛みはありません。なお、この場合は1週間程度入院の必要があるようですよ。まずは一度先生と相談してみて下さいね。くれぐれもお身体を大切にして下さい。68歳ではまだまだ若いです。これからです。ご家族の皆さんのためにも頑張って下さいとお伝え下さい。(^○^)にんまり〜正念相続/合掌三拝/平成の一休

[No.329のレス] Re:チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛いらしい・・ From:平成の一休さん 2002/09/28(sat) 09:53:46 [MAIL]

「追記」そう大事な件申し送れました。「胃ろう・腸ろう」共「バンパー型:PEG」は、メーカーさんの予定では、今年の夏位から「痛みのない」商品が開発発売されるようです。あくまでも予定ですが、ですから将来的にはPEG交換時の痛みの解消は時間の問題かもしれません。ご参考にしてお姑さんに、その旨お伝え下さい。私も同じバンパー型を使用しておりますが1年位で交換しております。(劣化の為です)(^○^)にま〜サラバイタメヨ~ッテネガッテマス!

[No.329のレス] Re:チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛 From:みっくん 2002/09/28(sat) 21:53:41 [MAIL] [HOME]

 全身麻酔で胃瘻交換をすることがあるのですか?
 造設も交換も随分してきたつもりですが、まだ、経験ありません.誰か教えて下さい.
胃瘻交換手技そのものは数分で終わりますし、きちんと行えば安全です.あえてリスクを伴う全身麻酔を併用するメリットが何かあるでしょうか?
通常は、座薬や内服の痛み止めで行っています.痛みに対する恐怖感が非常に強い場合は、静脈麻酔や筋肉注射による麻酔を併用すればそれで十分ではないでしょうか?(局所麻酔注射も可能ですが、局所麻酔の注射をうつ時の方が交換時の一瞬だけの痛みより痛みが大きいように感じますけど‥‥)
 それから、経験的にですが、長期に交換されていなかったバンパー型胃瘻の交換時には痛みも強いし、何より、バンパーが壊れて体内に残ったりといったトラブルが多くなります.交換する立場から言わせてもらえれば、経皮的に(内視鏡を使わずに)交換するつもりならば1年以上の長期留置はできれば避けていただきたいと思っています.

[No.329のレス] Re:チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛いらしい・・ From:ぼろごん 2002/09/28(sat) 23:38:00 [MAIL]

平成の一休さん、みっくんさんありがたいアドバイスをありがとうございます。
 現在カテーテルの状態は、ブラッシングをしても落ちない汚れも付着してきてますが、使用には差し支えありません。ただバンパー部分は当然見えないし、衛生面でももう限界なのかな〜 とは思っております。  私も前にドクターに聞いたところ、「全身麻酔の方法はありますが入院の必要があります。」といわれ、(一週間かどうかは忘れましたが・・・・) それは姑には無理かなと思っておりました。何しろ入院を嫌がる人で、素人が見てもヤバイと思うまで悪くしても 「入院は・・」と渋るのです。ですから中を取ってあんまり痛くない方法はとお伺いしました。
 先日、障害児を持つ親御さんのホームページに胃ろうのことが触れてあるのを読みましたところ、交換のときはやはり痛いのを避けるためにおなかのところでチョッキンしてしまい、内側のものは、そのうち、ウン○と一緒に排泄してしまうという方がおられました。  
 とにかく、近いうちに診察をしていただいて、そのときにここで教えてくださったことを聞いてみようと思っております。 親身なアドバイスをありがとうございます。

あ、追伸です。  平成の一休さんが痛くないPEGが出来ると教えてくださいましたが、今年の夏でなくて、来年’03の夏と理解すればよろしいでしょうか? もう発売されているならば、ぜひそれにしてもらいますけれど・・・

[No.329のレス] Re:チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛いらしい・・ From:平成の一休さん 2002/09/29(sun) 00:24:14 [MAIL]

”ぼろごん”さんへ、お気の毒な環境をお察しし心よりご同情申し上げます。今回は患者さんは1人1人全身状態や環境が違うと言う前提で提案しております件だけはご理解下さい。尚、問い合わせの「痛くないバンパー型:PEG」の新発売予定は「2003/08」頃と伺っております。先日、鎌倉市でのPEG関係の研究会に参加して時、たまたま「PEG製造メーカー」の営業担当者の方ににこの件を質問したところ、一応期待に答えれるようその時期に発売できるよう努力しますと返事を頂きました。完成日は多少前後するかもしれませんが現状はそのようです。名刺交換もしてましたので折を見て再確認して見たいと念いますので暫くその件はお待ち下さい。お大事にして下さいね。”ぼろごん”さんの「優しいや温かさ」に心現れる念いで一杯です。(^○^)にっこり〜合掌三拝

[No.329のレス] Re:チューブの交換 いくらなんでも遅すぎ? でも痛いらしい・・ From:moemoe 2002/09/29(sun) 21:45:46

● 交換時の痛み
 私は交換(この痛みを伴う)を2000件以上行ってきましたが,確かに痛みは患者さんにとっては大きなストレスで恐怖なようです.ただし,痛みを伴うキットはバンパー型なのですが,バンパー型にはよい点も多くあります.一概に悪者ではありません.在宅の患者さんには,抜ける心配がなく何度も交換も必要ないことからお勧めではあります.私個人の印象では,バンパー型がお勧めなのですが,どうしても痛みが問題であるならばバルーン型という選択もあります.

● 交換時の麻酔
 平成の一休さんはおそらく意識をフアーとさせる意識化鎮静法をさしていると思われます.挿管による全身麻酔は一般的には行いません.

● 胃瘻カテーテルの留置期間
 やはり1年くらいがリミットではないでしょうか.3年間留置していた患者さんの胃瘻交換を経験しましたが,交換時の問題だけではなく,組織への親和性(要するに皮膚に悪影響する)もさんざんでした.

● PEGメーカーへの希望
 このような患者さんの生の声がPEGメーカーに届くことを祈ります.微力ではありますが,その力になりたいと考えています.

● 胃瘻キットの種類とその利点欠点の説明
 PDN事務局から,あらためて判りやすい胃瘻キットの種類とその利点・欠点の説明をしたいと思います(事務局にお願いします).


[No.330] タイトルなし From:うしさ 2002/09/28(sat) 22:20:46

胃ろうを造設したが使用できなくなり、全身状態も悪く、ろうこうを塞げない状態です。アルロイドを使用したりなどして毎日試行錯誤していますが、潰瘍を形成しそれが、どんどん広がる一方です。どうしたらよいでしょうか。

[No.325] 白湯について From:おばば 2002/09/26(thu) 02:38:20

栄養注入後の白湯は、水道水のお湯をそのまま使用しても良いものなのか教えて下さい。白湯は一度沸騰させたものを、冷まして使うと言われたのですが、絶対そうしなければいけないのでしょうか。

[No.325のレス] Re:白湯について From:太朗 2002/09/26(thu) 09:26:21 [MAIL] [HOME]

おばばさんこんにちは 太朗といいます。
水道水は普通に我々も飲用しているものなので、あえて沸騰させる必要はないと思います。

[No.325のレス] 胃瘻チューブ使用下での通水(フラッシュ)の必要性について From:太朗 2002/09/26(thu) 09:41:00 [MAIL] [HOME]

皆さんこんにちは 自己レスです。
 経鼻胃管使用時には栄養剤注入後の通水(フラッシュ)の必要性があると教育を受けました。しかし胃瘻チューブは経鼻胃管に比べて太く短いので、最近ボクはフラッシュはしていません。(症例によっては酢酸水の処置をしてはいますが・・)
 フラッシュしなくても別にそのせいでチューブがつまることもないし、フラッシュしてもしなくても胃内容物はどうせチューブの中に逆流する(→酢酸水処置をしない場合)からです。皆さんどうですか?

[No.325のレス] Re:フラッシュの必要性について From:設計者です。 2002/09/27(fri) 15:59:17

太郎先生こんにちは、クリエートメディック株式会社胃瘻製品の設計者です。
大変お世話になっております。
さて、フラッシュの必要性についてですが、患者様に投与される栄養剤の濃度・速度や薬剤の種類は様々であり、完全に詰まらずともカテーテル内腔に(栄養剤や薬剤等が混ざった)粘質性の膜がベッタリ張り付いてしまっている製品を見かけます。管理方法を確認すると、フラッシュなしや投与後の容器に水を足しているだけのケースが殆どです。シリコーン製品であっても粘度の高い栄養剤等は意外と付着します。投与物が少しでも濃縮してこびり付く前に一旦勢い良くフラッシュする事で、どんな投与条件においても安定した品質・清潔感にて内腔を保つ事が可能であるとの保険的な意味も込めてフラッシュは必要であると、患者様から御提供いただいた様々な情報から私は思います。失礼致しました。

[No.325のレス] Re:白湯について From:太朗 2002/09/27(fri) 16:54:39 [MAIL] [HOME]

了解しました.御指導ありがとうございました.今後は気をつけて指導させていただきます.

[No.325のレス] Re:白湯について From:みっくん 2002/09/28(sat) 21:39:22 [MAIL]

フラッシュの効用に関する、個人的意見.
 その1:チューブ内に残った流動食や薬剤をフラッシュによって体内に押し込むことになる.
(これを怠るとチューブ内に薬剤が残って、介護者側は投与したつもりでも実際は体内に入っていない、ということがまま見受けられる.)
 その2:チューブをきれいに使うことができ、長もちにつながる?
私は、どちらかというと「その1」の効用を目的に、ボタン型でもチューブ型でも必ずフラッシュをするように指導しています.
 ちなみに、白湯は水道水でも湯冷ましでも、お湯に水道水を入れてさましたものでも、市販のお茶でもミネラルウオーターでも、口から飲めるものなら何でもよいと思います.、冷たいものを大量に早く入れると下痢することがあるし、熱すぎるお湯だと火傷をするので、それだけ気をつけましょう.

[No.325のレス] Re:白湯について From:みっくん 2002/09/28(sat) 22:00:54 [MAIL]

フラッシュの効用に関する、個人的意見.
 その1:チューブ内に残った流動食や薬剤をフラッシュによって体内に押し込むことになる.
(これを怠るとチューブ内に薬剤が残って、介護者側は投与したつもりでも実際は体内に入っていない、ということがまま見受けられる.)
 その2:チューブをきれいに使うことができ、長もちにつながる?
私は、どちらかというと「その1」の効用を目的に、ボタン型でもチューブ型でも必ずフラッシュをするように指導しています.
 ちなみに、白湯は水道水でも湯冷ましでも、お湯に水道水を入れてさましたものでも、市販のお茶でもミネラルウオーターでも、口から飲めるものなら何でもよいと思います.、冷たいものを大量に早く入れると下痢することがあるし、熱すぎるお湯だと火傷をするので、それだけ気をつけましょう.

[No.328] タイトルなし From:くら 2002/09/27(fri) 19:25:22 [MAIL]

こんにちは、先日の質問以来とても参考にさせていただいています。今日は胃ろうの管理ではなく、使用器具の管理についてお教え頂きたくおもいます。現在注入用イリゲーターはプラスティック製を使ってます。使用後の管理について、(消毒の必要性・乾燥の必要性等)です。私は老健施設勤務です。併設病院・訪問看護もあり院内っで統一できればと考えます。

[No.328のレス] Re:タイトルなし From:太朗 2002/09/28(sat) 11:17:40 [MAIL] [HOME]

くらさんこんにちは 太朗といいます。
ボクが顔を出している老人保健施設では、使用後の食器を洗うようにゴシゴシと洗い、その後ミルトン液につけています。でもイリゲーターってただの食器と考えれば、そこまでしなくても良いのかも?

[No.327] 胃瘻カテーテルを抜いた後の瘻孔部 From:金魚 2002/09/26(thu) 14:40:29 [MAIL]

こんにちわ。初めて書き込みます。私の父が胃瘻カテーテル留置して約3年が経過しますが、リハビリの効果もあり近々、胃瘻カテーテルを抜いても良いことになりました。そこで質問があるのですが・・・、
@抜いた後、初めのうちは、体位に気をつけなければならないということはあるのでしょうか?
A穴がふさがったことを、どういう目安で確認すればよいのでしょうか?
B少しでも穴から漏れてきたらその穴の部分をどう処置したらよいのでしょうか?

以上3点に関して、一般的な見解でかまいませんので、おわかりの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただけませんでしょうか?宜しくお願い致します。

[No.327のレス] Re:胃瘻カテーテルを抜いた後の瘻孔部 From:おサル先生 2002/09/26(thu) 21:59:08 [MAIL]

金魚さん、はじめまして。おサル先生と申します。まずは、お父さまの胃瘻カテーテルを抜いても良くなったことをお喜び申し上げます。
1)特に体位に気をつけなければならないということはないと思います。
2)通常は1〜2日で閉じてしまいます。
3)綿球を当てて押さえておくだけで良いと思います。
皆さん、他にお気付きの点がございましたら、カキコお願いします。

[No.327のレス] Re:胃瘻カテーテルを抜いた後の瘻孔部 From:金魚 2002/09/27(fri) 23:23:56 [MAIL]

おさる先生、レスありがとうございました。お答え頂いた内容も、良い意味で「素朴」で「そっけない」感じで・・・。逆にそういう感じが、私の中にあった変な緊張感を緩めてくださった気がします。何も難しいことはなさそうですね。ありがとうございました。

[No.326] 長時間の胃ろうからの栄養摂取と体位変換 From:ケイ 2002/09/26(thu) 11:04:10 [MAIL]

経管栄養を与える時間、胃ろうチューブの交換、というタイトルでも質問しました、ケイです。 
寝たきりの母ですが、やっとまた胃ろうからの栄養摂取を今日から再開されました。 一食、2〜3時間かけて与えますが、質問です。 通常、食事の時は、右側臥位が良いされ、また食後も30分から1時間は同じ姿勢で、となっているようです。 これを守りますと、今度は、最長2時間で変えた方が良い、とされている体位変換が出来なくなります。どちらかを優先するしかないのでしょうか? どうしたら一番身体に良いのでしょうか? 教えて下さい。

[No.326のレス] Re:長時間の胃ろうからの栄養摂取と体位変換 From:おサル先生 2002/09/26(thu) 18:00:37 [MAIL]

ケイさん、おサル先生です。「右側臥位」は胃排出(胃から十二指腸に出て行くこと)が高まるらしいということで、慣習的に行われていますが、最近の論文で胃食道逆流(嘔吐)がかえって増加する可能性があることが指摘されています。なぜなら、「右側臥位」にすると胃液湖(胃液のたまっている一番低い位置)が噴門部に移動するらしいのです。これはかなり個人差があるらしいのですが、以上の理由から私は「右側臥位」は推奨していません。実際、よく吐く患者さんが「右側臥位」から「左側臥位」に食後の体位を変更したところ、嘔吐が減ったということもあるようです。
 したがって、「右側臥位」にあまりこだわる必要がないように感じています(むしろ悪い!?)。無理に「側臥位」をとるくらいなら、私は上半身挙上だけで良いのではないかと考えております。
 皆さまのご意見はいかがでしょう?

[No.326のレス] Re:長時間の胃ろうからの栄養摂取と体位変換 From:ケイ 2002/09/27(fri) 10:32:49 [MAIL]

おサル先生 − いつもながら迅速なご回答、本当にありがとうございます。 「右側臥位」でなくてはならない、どころか、逆に良くない可能性も、ということ、びっくりしました。 医学理論は常に変わってきているのですね。安心して、自由に体位変換してあげられます。 どの体位にしても、食事の後は、同じ体位を暫く〈30分程?)は持続した方が良いのでしょうか。
追伸: 胃ろう手帳の件、ご報告今しばらくお時間下さい。

[No.326のレス] Re:長時間の胃ろうからの栄養摂取と体位変換 From:おサル先生 2002/09/27(fri) 17:49:44 [MAIL]

そうですね。30分くらいは保持された方が良いように思います。おサルでした。

[No.324] セミナーの講師派遣について From:PDN 2002/09/25(wed) 15:49:37

もっちさんから、講師派遣について書きこみをいただきましたので、お返事させていただきます。
PDNでは、設立当初より地域ごとにセミナーを行うことは活動計画にあがっております。そんなPDN主催セミナー開催計画の実行に先立ち、11月には東京都医師会からの依頼で、セミナー講師派遣のための窓口を、PDNがおこなっています。これを機に、できるかぎり講師派遣依頼には対応してまいりたいと思います。
尚、講師の派遣を希望される方は、
・開催希望日時および場所
・主な参加者の職種および予定参加人数
・講演内容の希望テーマ
(例:造設手技について/ろう孔ケア/日常の手入れ/栄養剤の選択、などなどできるだけ具体的に)
・メーカーや他組織の協賛の有無
・交通費、宿泊費の支給の有無
等を事務局宛にお知らせ下さい。

まだPDNとして講師派遣をしたことはありませんが、事務局および理事・協力医療者の方々と相談しながら、全国のみなさまからのご依頼にお応えできるような体制を築いていきたいと思います。これからも、ご意見・ご要望など、どんどんお寄せ下さい。宜しくお願い致します。


[No.283] 不良肉芽 From:もっち 2002/08/08(thu) 17:26:37 [MAIL]

はじめまして。訪問看護師をしております。喉頭Ca術後、口腔内麻痺による嚥下障害に対して、PEG造設(2/20)後半年の利用さんの事でご相談があります。PEG造設後1ヶ月ほどして、訪問看護に伺うようになった時にはすでに不良肉芽があり、アルケアのペグケアーを使用開始したところ、2ヶ月ほどで不良肉芽が消失しました。「よかったよかった!でも念のため使用を続けたい」との利用者さんの希望で継続使用し、スキントラブルなく経過していました。その間内服コントロール不足による便秘で5月に悪心・嘔吐があり、浣腸で排便を促し、点滴で水分を補給することで1週間ほどで軽快ということがありましたが、順調に体重も増えPEG造設時より7kg増となりました。7月下旬頃より瘻孔周囲に発赤が見られ、本日訪問時には立派な?不良肉芽ができていました。(ペグケアーの使用は継続中です)。瘻孔周囲皮膚の発赤は、猛暑・酷暑が続き発汗が多い事もありますが、体重7kg増加によりお腹に肉がついて固定板がきつくなっている(カテーテルは回転するが、体外固定板が皮膚にぴったり密着していて余裕がない)のではないかと考えました。PEG造設後半年経っていることから瘻孔は完成していると思われるので、体外固定板を少しゆるめ、皮膚と体外固定板の間に1cmほどの余裕があるようにし、ペグケアーを貼用してみました(ペグケアーを貼ると0.8cmほどの余裕になります)。この方法に間違いがなかったでしょうか?バードPEGキットで造設しており、ADLは自立です。

[No.283のレス] Re:不良肉芽 From:おサル先生 2002/08/08(thu) 23:37:46 [MAIL]

もっちさん、はじめまして。おサル先生と申します。カキコを拝見するに、たいへん観察が鋭く、プロフェッショナルな印象を受けました。体外固定板(外部バンパー)の除圧の処置など、たいへん手馴れた技量をお持ちの方かと拝察いたしました。
 私はもっちさんのご処置に特に申し上げることはないように思いましたが、他の先生方はいかがでしょう。

[No.283のレス] Re:不良肉芽 From:もっち 2002/08/10(sat) 18:24:37 [MAIL]

おサル先生、レスありがとうございます。自分の取った方法に間違いがなかったと自信がつきました。はたして不良肉芽は縮小しているでしょうか?来週の訪問が楽しみです。これからもがんばります。

[No.283のレス] Re:不良肉芽 From:moemoe 2002/08/17(sat) 14:45:05

● PEGケア
 私は,PEGケアの発案者です.PEGケアは,瘻孔からの漏れによる皮膚炎を予防するために開発いたしました.創傷被覆剤があまりにも高いことから,少しでも安くというコンセンプトもあります.まだいくつかの問題点はあるのですが,皮膚の炎症にはそれなりの効果はあるようです.

● PEGケアの改良
 近い将来,PEGケアの改良版が発売されます.もっと剥がし易く,皮膚にやさしいものです.

● おサル先生の見解
 晩期合併症のなかで不良肉芽の頻度は高いのですが,そのなかでもバンパーの締め付けによるものは非常に多いようです.おサル先生の見解に賛同します.

[No.283のレス] Re:不良肉芽 From:もっち 2002/09/25(wed) 12:52:10 [MAIL]

ご報告です。約1カ月(バンパーの除圧をしてから5回目の訪問時)で不良肉芽は消失しました。そろそろPEG交換の時期なので、現在は交換用のカテーテルをどのタイプにするかを利用者さんと相談しています。主治医からは全く何のサジェスチョンも利用者さんに対してありません。どうなってるの?と訪問看護師はヤキモキし、いつ「交換」と言われても良いように準備中です。

[No.323] PEGからの栄養剤の選択 From:もっち 2002/09/24(tue) 11:24:56 [MAIL]

こんにちは、訪問看護師のもっちです。
ケイさんへのレスを読んでいて思った事があるのですが、半消化態栄養剤・消化体栄養剤の選択について、DrやNsはあまり深く考えていないのではないかと思う事が多々あります。
院内ではこれしかないから・処方箋で出せるものだからと安易に使用していることはないでしょうか?
下痢をしたら止痢剤を、便秘なら下剤を投与する。
カロリーに関しても同様で、必要カロリーにストレス因子や活動因子を加味していないように思われるときもあります。
経管栄養の場合、栄養指導等栄養士の関与が全く無い場合もあり、退院後在宅においてご家族やご本人がとてもご苦労されている場面に遭遇致します。
私も、利用者さんと関わる課程で色々なことを勉強させていただきましたが、本当にまだまだ「増設しただけのPEG」が多すぎます。PDNの「PEG施行医療機関リスト」において、PEGの造設・交換相談に応じる病院・医院のリストはありますが、PEGの事がよくわかっている医師や看護師がいるとか栄養指導をきちんと受けられるとかの情報もほしいと思います。又、PEG管理ができる訪問看護ステーションも是非リストに掲載していただきたいと思います。日々、PEG造設医・かかりつけ医とディスカッション(説明・議論・説き伏せ・泣き落としetc)し、訪問看護師だって頑張っているのです。

[No.323のレス] Re:PEGからの栄養剤の選択 From:おサル先生 2002/09/24(tue) 22:59:45 [MAIL]

もっちさん、お久しぶりです。おサル先生です。もっちさんの訴えていらっしゃることは大いに共感いたします。本当に「PEGさえ作れば良い」という時代は当の昔に終わっているはずなのに…です。もっちさんのように問題点が見えていらっしゃるということが明日へのファイトにつながるのではないでしょうか。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

[No.323のレス] Re:PEGからの栄養剤の選択 From:もっち 2002/09/25(wed) 12:37:50 [MAIL]

おサル先生、いつも丁寧なレスありがとうございます。利用者さんの笑顔のために、これからも訪問看護頑張ります。
PDNの皆さんに1つお聞きたしたいことがあります。訪問看護ステーションの勉強会(1つのステーションだけでなく、近隣の10〜20のステーションが集まって行う)に講師を派遣していただく、というようなご相談には応じていただけますか?(講師料はあまり沢山出せないので申し訳無いのですが…)

[No.314] カテキンの効果についての疑問 From:チルドレン 2002/09/10(tue) 02:16:33 [MAIL]

 皆様、初めまして、チルドレンと申します。私は病院の内科医で、PEG造設も時々行っています。PDNの胃瘻手帳を読んでいて、疑問に思った事が出てきましたので、投稿させていただきました。
 P.22の「漏れと皮膚のただれ」の「カテキンには殺菌作用があり、ただれの治療や予防に使用する。毎日緑茶を冷まして、胃瘻周囲を綺麗に拭くのも効果的」という部分です。カテキン水は強酸性水の作用で殺菌作用があると言われているようですが、強酸性水の効果は有機物があれば一瞬で消えてしまいますし、その効果も一時的です。「治療になる」はともかく「予防になる」と言い切れるものなのでしょうか?  「毎日緑茶で周囲を拭く」事もご家族にとって結構負担にならないかなとも思います。「毎日観察し、綺麗に拭く(必要があれば洗浄する)」だけでもいいような気がします。インターネットで「カテキン」を検索をかけますとたくさんの健康食品が引っかかってきます。すべてが怪しいと思いませんが、高価なお茶がたくさんあるようです。患者さんのご家族が皮膚のただれを早く治そうと、健康食品に頼って誤った治療をされては元も子もなくなります。
 病院には「強酸性水を作る器械」の売り込みが、最近増えてきております。強酸性水は正しい知識で使えば勿論効果のあるものですが、誤った使い方をすると効果は全くありません。(病院の感染対策でも強酸性水は賛否両論あります)
 いずれにしましても、「カテキン」が有効というエビデンス(証拠)がない限りは、手帳に書かれないほうがいいのではないかと思ってます。PEGの経験も少なく初めての投稿で、長文、生意気な事を書きました事お許し下さい。識者の先生方、お教えいただければ幸いです。
 なお、以下のアドレスに、強酸性水とお茶の事が、詳しくかかれてます。参考にしていただけたらと思います(私が書いたものではありませんが・・)
http://www.asahi-net.or.jp/~kr2m-nti/wound/wound068.htm

[No.314のレス] Re:カテキンの効果についての疑問 From:PDN 2002/09/10(tue) 10:40:05

チルドレンさん、はじめまして。
貴重なご意見をありがとうございました。
早速PDNとしての対応を検討させていただきます。
今後とも、お気づきの点、ご意見などお教え下さい。宜しくお願い申し上げます。

[No.314のレス] Re:カテキンの効果についての疑問 From:おサル先生 2002/09/24(tue) 23:48:32 [MAIL]

チルドレン先生、はじめまして。おサル先生と申します。PDN事務局が代表した形で返答しておられましたので、レスをどうしようかな、と思いながら、今日に至ってしまいました。遅レスお詫び申し上げます。ご指摘のようにカテキンに関しては、「お茶のカテキンが胃瘻周囲の肉芽に良かった」という発表を4年ほど前のHEQ研究会で一度聞いたきりで、その後、誰も追試はしていなかったように思います。(どなたか、胃瘻のスキンケアとカテキンに関する最近の論文をご存じでしたらご教示ください)
チルドレン先生のご指摘されたように、術後数日の急性期を除き、石けん水やぬるま湯による洗浄(消毒ではなくて)や入浴がスキンケアの基本である事をまず皆さんに知っていただき、それ以外のエビデンスの不明な処置に関しては、コラム程度にしておく方が良いのかもしれませんね。
 もちろん、「お茶」の一節で胃ろう手帳全体の価値がゆるぐわけではありませんので、次回改定の時にはご一考いただければ、と私も思います。
 以上、私見を述べさせていただきました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

[No.305] 胃ろうチューブの交換 From:ケイ 2002/09/02(mon) 13:25:59 [MAIL]

脳梗塞で入院の母が胃ろうを増設したのは、今年の3月7日ですので間もなく半年となります。。 その後、容体により、点滴などに変更した時期も多く、実際に胃ろうを使用したのは、三ヶ月程です。チューブの交換は4ヶ月〜6ヶ月、となっているようですが、母の場合は、いつ交換すべきでしょうか? 2ヶ月程前に転院しており、今の病院では今日の時点では、何の話もありません。心配ですので、教えて下さい。  

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:おサル先生 2002/09/02(mon) 19:15:45 [MAIL]

ケイさん、はじめまして。おサル先生と申します。さて、お母さまの胃ろうカテーテルの次の交換時期についてですが、う〜ん、実際のチューブの汚れ具合はどうなんでしょう。ご質問から察するに、バンパー型のチューブ型(非ボタン型)なんでしょうか。材質はポリウレタンではなくて、シリコン製でしょうか? あまり汚れていなければ、私は八ヶ月くらいは持たせますが。いかがでしょう。もう少し情報がありましたら、教えていただければ幸いです。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:太朗 2002/09/02(mon) 19:33:27 [MAIL] [HOME]

ケイさん,こんばんは.太朗といいます.
ボクの場合,チューブ型においては「チューブが臭くなったら交換」としています.○○ヶ月で定期的に交換,といった方法はとっていません.期間に関係なく,きれいなら良し汚くなったらダメとしています.
あくまで一意見として御参考にして下さい.

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:平成の一休さん 2002/09/02(mon) 21:34:35 [MAIL]

”ケイさん”始めまして、平成の一休さんと申します。初歩的なご相談で恐縮でござますが、当/PEGドクターネットワークでは、正確な情報の共有と相談ごとになるだけ参考になれるような回答をしたいとの趣旨と、より質の高いサービスの提供をしたいと言う願いからご面倒でも患者・家族の方や医療関係者の方々の為に「PEG手帳」を言う小冊子を作りお買い上げ頂いております。既に全国の患者さんや登録病院等に販売致しております。このPEG手帳の特徴は「いつ・どこで・誰が・どこの病院で・どの先生が・どの種類のPEGを造設・次回交換日」等々を主治医の先生が記載出来るようになっております。この手帳は言葉を変えてあえて表現するならば【PEGのカルテ】と言えます。従って、この手帳に記載されている情報に添って当/HP/相談室/へ投稿願えれば精度の高い回答が得らます。今回折角投稿頂きましたが「ご覧のように、ケイさんのPEG情報が不足」ぎみなので先生方も推測でしかご返事出来ないのではないかと念います。そこで再確認させて頂きたいのですが、もし「PEG手帳」が係り付けの病院に在庫がなく、あるいは何かの事情でまだ手元にないと言うお話であれば一度下記PEG事務局は問い合わせ願いたくお願い申し上げます。お大事になさって下さいね。PEG手帳1冊¥500円で販売併せて送付も承ります。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:おサル先生 2002/09/02(mon) 22:33:45 [MAIL]

「太朗」先生、こんばんわ。
それから平成の一休さんの笑顔が久しぶりに見られて良かったです。 おサルでした。

[No.305のレス] (^○^) Re:胃ろうチューブの交換 (^○^) From:平成の一休さん 2002/09/02(mon) 23:48:41 [MAIL]

”おサル先生””太朗先生””みっくん先生””S先生””H先生”たかちゃん””旅は道ずれさん”こんばんは、平成の一休さんは、つい昨日までのPEG交換騒ぎが嘘のような幸せな気分に浸っております。あの恐怖の痛みから開放されて、今、しみじみ念うことは本当に恵まれたご縁に出会えて最高に嬉しいです。それに、おサル先生のコメントはいつも短めですが、その言葉一つ一つに愛情が凝縮されておりますね。これからも至らぬ点が多々あることは確かですので、その折は不足分をサポートお願い致します。それから、あの東京慈恵会医大病院/外科/H先生/には当日大変気遣い頂き心より御礼申し上げます。【H先生は同病院/外科/部長代行】と言う要職で【総責任者】にも拘らず、救急室へ【一休さん大丈夫?大丈夫?】と何度も何度も足を運ばれ励まして頂きました。無事PEG交換が完了し痛みもとたんになくなったと言ったら自然か偶然か、思わず2人で【バンザイ】しました。皆さん平成の一休さんは【例の:チョンボの一休復活】しました。これからも多いにチョンボ振りを発揮しますので乞うご期待下さいね?。(^○^)うふふふふふ^^^合掌三拝。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:ケイ 2002/09/03(tue) 11:07:29 [MAIL]

おサル先生
太郎さん
平成の一休さん

皆さん色々とメッセージ下さり、ありがとうございました。
どういったタイプの物を使用しているのか、それさえも私自身知りません。 ちゃんと調べてからまた質問させていただきます。
胃ろうを増設した病院では何も言ってくれませんでしたので。
つい1週間ほど前に、PEGドクターネットワークより、”胃ろう手帳”を購入しました。 病院で記入してもらうべきでしょうか? 行く時間もあまりないのですが、電話で聞いて、私が記入できるものでしょうか?

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:おサル先生 2002/09/03(tue) 23:25:59 [MAIL]

ケイさん、ご返信ありがとうございます。「胃ろう手帳」をお買い求めいただき、よかったです。
 さて問題は、「病院」で記入してもらうにせよ、電話で問い合わせるにせよ、「病院」の「誰」に頼むのか! これがいつも本当に困ります。PEGでいつも問題になるのは、ひとつの病院においてすら、PEGをつくる人、管理する人が異なること、その両者のコミュニケーションが乏しいことです。
 たぶん、一番その辺りの情報を押さえているのは、病院の内視鏡室なのだと思います(病棟スタッフはどんなチューブが入っているか知らずにみていることが少なくないように感じています)。ですから、病院の窓口に「胃ろう手帳」を預けたとしても、それを記入できる最適なスタッフの手元に届くかを心配しています。
 せっかくの「胃ろう手帳」を紛失されないように、まず、電話で聞いてみられてはいかがでしょう。入院なさっていた病棟に訊ねるのが一番良いか? もし、病棟のスタッフがわからないようだったら、内視鏡室のスタッフに尋ねてもらうよう、頼んでみてはいかがでしょう。
 実は私のような町医者が病院に問い合わせる時も、病院によってはさんざんたらい回しにあいます。途中でめげてしまうことすらあります。ましてや、一般の患者さまにおいてはそのご苦労をお察し申し上げます。
 というわけで、世の医療機関に「胃ろう手帳」をひろく知っていただくことが、いかに大切かをお分かりいただけるかと存じます。胃ろうを作ったら、何はともあれ「胃ろう手帳」に記入していただく。造設したその日であれば簡単な事です。是非、日本中におすすめしたいと思います。
 というわけで、ケイさん。ぜひまた結果を教えてください。
ご相談に乗りたいと思います。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:ケイ 2002/09/09(mon) 13:10:21 [MAIL]

おサル先生、胃ろう手帳の件では色々ありがとうございました。 でも先週は仕事が非常に忙しく、結局未だ問い合わせておりません。 今週には、病院へ連絡するつもりですので、結果はご報告します。 その前に、2つ、また質問させて下さい。

母は、前にもお話しましたように、末梢点滴、そしてIVHでの栄養摂取が1ヶ月以上続いています。もう少しで、胃ろうからの食事再開、というところです。 始める前には、もちろんお湯で胃を慣らしますが、それに先立ち、2日前より、胃の働きを良くする薬と心臓の薬を胃ろうより入れ始めました。 一日3回、太い注射器でいれます。 シロウトの私の考えでは、一ヶ月以上使用しなかった胃ですから、薬の前に、お湯をゆっくりいれて胃を慣らす方が先なのでは? と考えてしまいますが、病院のやり方で問題無いのでしょうか? 胃の働きを良くする薬もいきなり入れられて、吸収できるのでしょうか?

もう一つの質問ですが、以前に胃ろうからの食事を落とす時間について質問させていただきましたが、通常2〜3時間(500ml)ですが、今の病院では20分程でした。 次に再開する時は、私の要請で、2〜3時間かけてもらうことは了解されましたが、この先生曰く、人間は通常口から15分程で食事します、胃ろうからでも同じ、と言います。 どこか異常な論理に思えます。 医学的に、なぜ胃ろうからの食事は2時間程かけるのでしょうか?

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:おサル先生 2002/09/09(mon) 17:59:53 [MAIL]

ケイさん、すみません。以前、書き込みいただいた[No.284] 「胃ろうー経管栄養を与える速度」のケイさんですね。という事は、現在ふたつ目の病院に入院中の方ですね。ちょっと見当違いのお返事をしていたかもしれません。申し訳ありません。
 さて、ご質問の件ですが、お湯で慣らしをする前に胃の働きを良くする薬を始めることはそれほど抵抗はありません。心臓の薬も吸収は悪いかもしれないという事を承知の上で開始されることはそれほど問題はないように思います。
 ただ、胃ろう栄養で急速投与が可能なのは、粘度増強がしてある場合に限ると私は思います。以前のカキコで、たしかミキサー食をご使用とのことでしたので、十分に粘度はあるのでしょうか? 「太朗」先生の「寒天」の工夫などがなされていれば短時間の投与は可能でしょう。ただ、以前にもご紹介しました、胃の受容性弛緩が十分に生じていることも条件のひとつです(胃が十分にふくらんでいると予想される場合)。迷走神経反射(胃の伸展にともなって気分が悪くなっり、血圧が下がる)が生じる場合は、持続投与が望ましいと思います。いずれにしても、胃ろう栄養の投与方法は、患者さま毎のオーダーメイドであって然るべきだと存じます。
 以上、ご参考になれば幸いです。

[No.305のレス] (^○^) Re:胃ろうチューブの交換 (^○^) From:平成の一休さん 2002/09/09(mon) 23:58:19 [MAIL]

”ケイさん”今晩は、”おサル先生”お世話になっております。
ケイさんの問いかけに対して、この投稿欄の1つ上に【おサル先生】の書き込み(回答)が【全てを表している】ような気が致します。同じPEG造設者の【患者さんの生活環境は皆さん違うし】【更に、病気の状態】や【主治医の見解】或いは【PEGの種類】【栄養剤の種類】とまさにさまざまでいろいろなケースのトラブルや戸惑いがあっても不思議ではなく、当然起こるべくして起きた現象と患者さんは受け止めて頂きたいと念います。特に私がおサル先生の【最後の一行で胃ろう栄養の投与方法の解決が最大のポイントである】とくだりです。つまり【患者さまの毎のオーダーメイドが然るべきと言うご意見には同感】です。どの種類の食品を投与するにしても一応、標準的時間はあるかもしれませんがそれはあくまで【目安】にすぎません。後は、患者さん個人個人がご自分にあった速度やカンテン等の適度な硬さ等の調整をして手探りで開発して欲しいのです。私もそれこそ50回位、思考錯誤して【現在の投与速度を見つけました】。新しく何かを開発する努力を熱心に取り組んでる患者さんもたくさんいらっしゃいますし、それが【ストレス】を貯めないコツのような気がしますが如何でしょうか?挑戦されてみては。合掌。(^○^)にんやり〜

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:ケイ 2002/09/10(tue) 16:17:36 [MAIL]

おサル先生 ー 早速のお返事ありがとうございます。以前栄養剤投与の速度でお尋ねしたケイです。申し上げればよかったですね。先生は多くの方からのお問い合わせがありますから、配慮すぺきでした。お薬投与の件、問題無いとの事ですので、安心しました。胃ろうからの栄養摂取については、再度のご教示、ありがとうございます。胃ろうの使用再開の場合、今度はミキサー食ではなく、エシュワン、とかいう栄養剤を利用するようです。担当の医師にゆっくり落とすよう要請した結果、ミキサー食では無理のようなので。 エシュワンとツインラインは製造会社の違いだけで、あまり差はないのでしょうか? 母は以前の病院の時、アメリカ製の栄養剤でしたが、下痢がずっと続いていて、大変でした。

平成の一休さん − この度も、コメントいただき、ありがとうございました。 

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:おサル先生 2002/09/10(tue) 22:20:28 [MAIL]

ケイさん、おサル先生です。ご返信ありがとうございました。さて、ご質問のエシュワンですが聞いたことがないので、2002年版日本医薬品集で調べてみたのですが載っていませんでした。ということは、食品の流動食なのでしょうか? それとも、もしかしてエンシュアリキッドのお間違えでしょうか? もう一度ご確認いただけないでしょうか。もしエンシュアリキッドでしたら「半消化態」経腸栄養剤ですし、ツインラインは「消化態」経腸栄養剤です。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:ケイ 2002/09/11(wed) 12:59:47 [MAIL]

おサル先生 − 夜遅くに返信していただき、本当にすみません。 それも、医療品集まで調べさせてしまい、お詫び致します。きっと、エンシュア、の間違いです。担当医師からの言葉でしたので、あやふやに覚えていたのでしょう。 リキッド、という単語はありませんでしたが。 いずれにせよ、私の不注意、お詫び致します。 半消化態と消化態、とはどう違うのですか? お答えは急ぎません。 斯様な件で、メッセージのやりとり、重ね重ね、すみません。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:おサル先生 2002/09/23(mon) 13:34:17 [MAIL]

ケイさん、おサル先生です。お返事がたいへん遅くなり失礼しました。この10日ほどの間にHEQ研究会、中部PEG研究会、地元講演会…と在宅医療・PEG関係の行事が集中しておりました。さて、ご質問の半消化態と消化態の件ですが、PEG実践マニュアル(フジメディカル出版)の井上善文先生が書かれた部分を一部引用します。
 半消化態経腸栄養剤:窒素源がカゼイン、大豆タンパクで構成されており、糖質としても二糖類やデキストリンが用いられている。脂肪含量も多い。ある程度の消化管が必要であるため、一定の長さ以上の正常または障害程度の低い腸管が必要である。医薬品扱いのものと食品扱いのものがある。
 消化態経腸栄養剤:すべての成分が化学的に明らかなものから構成されている。これらは消化を必要とせず、小腸からすべて吸収されて残渣を残さない。窒素源が吸収効率のよいジペプチドやトリペプチドで構成されており、糖質は二糖類やデキストリンが用いられている。
 以上、ご参考になれば幸いです。

[No.305のレス] Re:胃ろうチューブの交換 From:ケイ 2002/09/24(tue) 11:34:24 [MAIL]

おサル先生 − いつもお忙しい上に、色々な研究会へのご出席で、超多忙の中、 ご回答ありがとうございます。 いつもながら感謝しております。半消化態経腸と消化態経腸栄養剤の違い、大変参考になりました。母が胃ろうによって栄養を取っているのみ、斯様な事も知らず、勉強不足を痛感しています。胃ろう手帳の書き込みに関しては、結局先週も母の病院通いを優先してしまい、前の病院へ行く時間が取れませんでした。ご報告は必ず致します。

[No.322] 内容物が腹腔内に漏れたりって From:おいげん 2002/09/21(sat) 20:04:15 [MAIL]

イロウって言うなれば胃潰瘍が穿孔したようなわけですよね?
チューブ内しか物が通ってない時は良いけれど、チューブの外側を通って、内容が漏れて来る時って、腹腔内を僅かに経由しているわけで、それが原因で腹膜炎になったりしないのでしょうか?
胃の外壁と腹膜ってそれほど、ぴったりくっ付いてるのですか?
それから、万が一チューブが抜けたら、早く何でもカテーテルを入れておかないと、胃と腹壁の穴がずれてしまうと聞いたりするので、余計に分からなくなってしまいます。
基本的な質問で全く申し訳ないのですが、どなたかお答えください。

[No.322のレス] Re:内容物が腹腔内に漏れたりって From:みっくん 2002/09/22(sun) 18:16:33 [MAIL]

おいげんさん、こんにちは.
 えーっと、上手く文章で説明できるかどうか自信がないのですが、トライしてみましょう.
 おっしゃるように、胃瘻は胃が穿孔して、さらにその先で体表にまで孔が通じてしまったような状態です.
ですからチューブのすぐ外側は腹腔内と通じています.これが造設直後の状態です.この状態で、チューブの外側に内容物が流出すれば腹膜炎になります.
 ポイントは約2週間程度でこの孔の創が安定して、皮膚から胃内まで貫通した孔の部分が十分に癒着?してくるということです.こうなると胃瘻の瘻孔の内部は腹腔内と通じなくなります.胃壁と腹壁が瘻孔部でくっついてずれない状態で安定するわけです.これを「瘻孔完成」「瘻孔形成」といいます.
 ですから、瘻孔形成の前か後かで胃瘻の瘻孔の状況は全く異なります.瘻孔形成前であれば、チューブが抜けると胃と腹壁の孔がずれてしまうことになり、腹膜炎になってしまう可能性があり専門科による緊急で慎重な対応が必要です.一方瘻孔形成後はチューブが抜けると、孔はずれませんがすぐに塞がってしまうため、「急いで何でもいいからカテーテルを入れておきなさい」となるわけです.
 なんだかごちゃごちゃした説明でごめんなさい.お久しぶりのみっくんでした.

[No.322のレス] Re:内容物が腹腔内に漏れたりって From:おいげん 2002/09/22(sun) 20:57:02 [MAIL]

とてもよく分かりました。
ありがとうございました。
これで安心できました。